米国と欧州連合(EU)の政治家らが、ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)のパラマウント・スカイダンスによる買収計画に対し、規制当局による厳格な審査が必要だと警告する書簡を、同社CEOのデビッド・エリソン宛てに送付した。
米国下院議員のサム・リッカルド(カリフォルニア州第16区)とデボラ・ロス(ノースカロライナ州第2区)が主導する国際政治家の連合は、フランス、イタリア、ドイツの議員らと共同で、14日に書簡を送付。合併に関する「複数の管轄区で重大な規制上の懸念がある」と指摘した。
「早期承認」の主張に反論
書簡では、合併に関する公式声明の中に「規制審査が最小限で、迅速な承認が見込まれる」との見解が示されているが、これは「時期尚早」だと批判。株主の承認が「競争法、国家安全保障、編集の独立性、メディア・文化多元性の枠組みに基づく厳格な審査」とは無関係である点を強調した。
政治家らは「消費者を、競争の低下、価格上昇、イノベーションの減少、選択肢の制限といった合併の悪影響から守る責務がある」と述べ、合併が「適切な認可プロセスを経ず、法令を遵守しない場合、映画・テレビ制作、コンテンツライセンス、劇場配給、ストリーミングサービスなどの市場で競争が実質的に弱体化する可能性がある」と指摘した。
書簡はさらに「消費者の選択肢が減少し、価格が上昇する可能性がある」と警告。EU委員会と欧州議会が「市場の定義、市場シェアの閾値、顧客の代替可能性、垂直統合の影響、内部市場への下流効果」を詳細に検討すると述べた。
外国政府系ファンドの資金調達に懸念
政治家らは、アラブ首長国連邦、カタール、サウジアラビアの公的投資ファンドなど「外国の主権ファンド」からの「大規模な資金調達」にも懸念を示した。これらのファンドが「国家安全保障、編集の独立性、外国政府の影響、米国外国投資委員会(CFIUS)による審査の可能性」に関する重大な疑問を投げかけると指摘した。
書簡はまた、合併が「メディア多元性」に与える影響についても懸念を表明。特に「第三国の投資家による編集上の意思決定への影響を防ぐための内部ガバナンスの強化」を求めた。
「公的信頼を得るためには、厳格かつ透明な審査プロセスが不可欠です。本書簡は、合併が規制上の障害を既にクリアしたと示唆するあらゆる主張が虚偽であることを正式に通知するものです」
政治家らは、規制当局の審査結果が「取引規模や政治的影響ではなく、法令に基づく基準によって独立して判断される」と強調。財務市場における「取引の確実性に関する期待を人為的に高めることで、長期化する訴訟のリスクを招く可能性がある」と警告した。
今後の審査プロセスに注視
書簡は、合併に「広範な規制審査プロセス」が待ち受けているとし、政治家らは「今後もこの問題に関与し、関連する議会・委員会での証言や公聴会を開催する」と表明した。