1994年以降、地すべりに関する研究論文数は32倍に増加した。これは、地すべり研究の急速な発展を示す数字である。

来週、ニュージーランド・クイーンズタウンで開催される「地すべりリスクと地盤工学に関する国際会議(LaRGE)」に招待され、発表の機会を得た。この機会に、1994年からの地すべり研究の動向を分析した。

Scopusのデータによると、1994年から2025年までの地すべりに関する研究論文数の推移は以下の通りだ。

1994年には182件だった研究論文数は、2025年には5,875件に達し、32倍の増加を記録した。

この急増は、地すべりに関する理解が飛躍的に深まったことを示す一方で、研究のパラダイムシフトについては言及していない。

主要学術誌の動向

地すべり研究の主要学術誌における論文数の変化も興味深い。

  • Landslides(2004年創刊):急成長を遂げているが、全体に占める割合はまだ小さい。
  • Natural HazardsEngineering Geology:大幅な増加を示している。
  • Geomorphology:緩やかな増加傾向。
  • QJEGHCanadian Geotechnical JournalGeotechnique:従来から地すべり研究の中心だったが、論文数はほぼ横ばい。

この変化は、地すべり研究が地盤工学から地形学、リモートセンシング、地球物理学、自然災害学など、より幅広い分野に拡大していることを示唆している。

中国の台頭

特に注目すべきは、中国の研究者による地すべり研究の急成長だ。

中国の研究者による地すべり研究論文数は、2025年には2,616件に達し、世界の地すべり研究の55%以上を占めるまでになった。

この成長は過去10年間で爆発的に進み、地すべり科学の中心が明確に中国に移っていることがわかる。

今後の展望

地すべり研究の急成長は、地すべりリスクの理解と対策の向上に貢献してきた。しかし、研究の多様化と中国の台頭は、今後の研究動向に大きな影響を与えるだろう。LaRGE会議では、こうした変化を踏まえた議論が行われることが期待される。