ホルムズ海峡周辺で暗号資産詐欺が横行
イラン近海のホルムズ海峡周辺で活動する船舶を狙った暗号資産詐欺が確認された。少なくとも1隻は、イラン当局を装った詐欺師から「安全通行のための通行料」を要求され、ビットコインまたはテザーでの支払いを求められたという。しかし、実際には支払いは行われておらず、船舶側は安全な通行が保証されたと誤認していた可能性がある。
最初の警告はギリシャ企業から
この詐欺の最初の警告は、ギリシャの海事リスク管理会社MARISKSが4月20日に発表した。同社は船舶所有者に対し、イラン当局を名乗る詐欺師が「通行料」の名目で暗号資産による支払いを要求していると注意を呼びかけた。
ホルムズ海峡の重要性と背景
ホルムズ海峡は、世界の石油・液化天然ガス供給の約2割を担う重要な海上交通路であり、ペルシャ湾諸国にとって戦略的な要衝だ。近年、イランはこの海峡の通行管理を強化しており、一部の油送船に対して暗号資産による「通行料」の支払いを要求しているとされる。さらに、船舶はイラン沿岸に近いルートを強制され、検査を受けるケースも報告されている。
詐欺の手口とリスク
- 偽装メール・メッセージ:イラン当局を装ったメールやメッセージを通じて、船舶に対して暗号資産による「通行料」の支払いを要求。
- 支払いの確認ミス:支払いが実際に行われていないにもかかわらず、船舶側が安全通行が保証されたと誤認するケースが発生。
- 被害拡大の懸念:ホルムズ海峡周辺で滞留する船舶が増加する中、詐欺被害が拡大するリスクが高まっている。
専門家からのコメント
「詐欺師は、船舶所有者がイラン当局の通行規制に関する情報に不安を抱いている点を悪用している。支払いの有無を確認する仕組みがなければ、被害はさらに拡大するだろう。」
海事リスクアナリスト
今後の対策と注意喚起
MARISKSをはじめとする海事関連団体は、船舶所有者に対し、以下の点に注意するよう呼びかけている。
- イラン当局を名乗るメッセージの送信元や内容を慎重に確認する。
- 暗号資産による支払いを求められた場合、公式な手続きと照らし合わせて検証する。
- 不審なメッセージを受信した際は、直ちに関係機関に報告する。
海事業界では、今後も同様の詐欺が横行する可能性が高いため、引き続き警戒が必要とされている。
出典:
Ars Technica