米国の第4巡回区控訴裁判所は12日、アフガニスタンで米国と協力したと見られる現地協力者の氏名公表を禁じた差し止め命令を支持する判決を下した。

判決は、ジュリアス・リチャードソン判事とアルバート・ディアス首席判事の合議体により、Doe v. Mast事件において示された。裁判所は、原告とその家族の安全を確保するため、被告側に対し「原告および家族の氏名や関連情報を、秘密保持契約を締結した者以外に開示してはならない」とする保護命令を支持した。

裁判所は、この命令が「事前抑制」に該当するものの、国家安全保障という「国家の重大な利益」を守るための「やむを得ない例外」に該当すると判断した。具体的には、米国の軍事・外交活動を支援した外国人協力者の安全を確保することが、米国の国家安全保障に直結するとした。

判決文では、次のように述べられている:

「政府には、国家安全保障に関わる情報の機密性だけでなく、外国情報機関の効果的な運営に不可欠な『機密性の見せかけ』を保護する重大な利益がある。これは、潜在的な外国人協力者の身元を保護することも含む。」

また、判決は、協力者の身元が公表されることで、将来的な協力者の募集や信頼確保が困難になると指摘。たとえ実際の協力者でなくとも、米国政府と関係があると見なされる者が攻撃されるリスクを回避する必要性を強調した。

アフガニスタンからの避難とタリバンの脅威

原告らは2021年8月にアフガニスタンから米国に避難し、米軍基地に収容された。この避難は「Operation Allies Refuge」と呼ばれる米国の支援プログラムの一環で、米国と協力したアフガン人を米国に受け入れる目的があった。

裁判所は、避難の経緯やタイミングから、原告が米国の協力者と見なされる可能性が高いと指摘。タリバンが原告の家族に対し暴力を振るうリスクが「単なる憶測ではなく、現実の脅威」であると認定した。具体的には、原告の身元が公表されれば、家族が「具体的な危険にさらされる」と結論付けた。

このため、裁判所は、この保護命令が「最も制限的でない手段」であると判断し、原告の安全を確保するための必要な措置と位置付けた。

出典: Reason