米サッカーの歴史を振り返る新たなドキュメンタリーシリーズが公開

米国におけるサッカーの歴史は120年以上にわたり、これまでその全容を振り返る機会は限られていた。しかし2026年W杯開催を目前に控え、その歴史を包括的に描く新たな試みが始まった。

米スポーツメディアSB Nationは、Vox CreativeおよびRokuと提携し、3部構成のドキュメンタリーシリーズ「Soccer Meets America」を公開した。同シリーズは、米国におけるサッカーの急速な人気上昇の歴史に焦点を当て、1970〜80年代の北米サッカーリーグ(NASL)から1984年オリンピック、そして1994年W杯開催に至るまでの軌跡を追う。

米サッカー発展の立役者、アラン・ローテンバーグ氏

同シリーズの中心人物として、米サッカー界の重鎮であるアラン・ローテンバーグ氏が取り上げられている。ローテンバーグ氏は1984年オリンピックのサッカー委員長、1990〜98年の米サッカー連盟(USSF)会長、1994年W杯CEOを歴任。さらにメジャーリーグサッカー(MLS)の創設、1996年の女子サッカー五輪プログラム導入、1999年女子W杯開催の実現に尽力した。

ローテンバーグ氏はこのほど、自身の半生を振り返る書籍「The Big Bounce: The Surge that Shaped the Future of U.S. Soccer」を上梓。同書では、米国サッカーが無秩序なリーグからMLS、NWSL、USLなどの整備されたリーグへと発展するまでの過程を詳細に記している。

同シリーズでは、ローテンバーグ氏が1984年オリンピックの開催成功、1994年W杯開催の獲得、米サッカー連盟の組織強化に尽力した様子が描かれる。また、米サッカーの人気上昇が一夜にして起きたものではなく、長年にわたる地道な努力の積み重ねであったことも強調されている。

「米国のサッカーは1990年に私が関わり始めた頃から成長し始めました。1970年代にはロサンゼルスにチームがあり、ペレやベッケンバウアーを擁したニューヨーク・コスモスが世界を席巻していた。ジャイアンツ・スタジアムもあった。未来への可能性を垣間見せる瞬間はあったのです。しかし、サッカー連盟の設立、1994年W杯チームの結成、大会運営の体制整備が進むにつれ、加速度的に成長していったのです。決して一夜にして起きたことではありません」
アラン・ローテンバーグ(元米サッカー連盟会長、1994年W杯CEO)

米サッカーの未来を考える貴重な機会

「Soccer Meets America」は、米国サッカーの歴史的転換点を振り返るだけでなく、2026年W杯開催を控えた現在の米国サッカー界にとっても重要な意義を持つ。同シリーズを通じて、米国サッカーの発展の裏にあった数々の挑戦と成功の物語が明らかになる。

ドキュメンタリーの公開は、米国サッカーの歴史的遺産を次世代に伝えると同時に、さらなる成長へのモチベーションを与えるものとなるだろう。

出典: SB Nation