米国の連邦通信委員会(FCC)は、国家安全保障上のリスクが懸念される機器として規制対象となったドローンや無線ルーターについて、2029年1月までソフトウェアやファームウェアの重要なアップデートを継続することを認める通知を発表した。
この措置は、2020年に制定された「安全な機器法(Secure Equipment Act)」に基づく規制の一環。同法は、中国企業などが供給する機器が米国の通信網に悪影響を及ぼすリスクを防ぐ目的で制定された。
FCCはこれまで、規制対象機器の販売・輸入を原則禁止してきたが、機器の安全性向上や脆弱性修正のためのアップデートは例外的に認めてきた。今回の通知により、その期間が2029年1月まで延長されることが明確になった。
規制対象機器の拡大とその背景
FCCが規制対象とする機器は、中国の大手通信機器メーカー5社(華為技術、ZTE、ハイセンス、Hikvision、DJI)が製造・供給する製品に限定されていたが、2023年には対象が拡大され、他の中国企業製の機器も含まれるようになった。
規制の拡大は、米国のサイバーセキュリティ強化を目指す政府の方針に沿ったもの。特に、ドローンやIoT機器の普及に伴い、これらの機器を悪用したサイバー攻撃のリスクが高まっていることが背景にある。
企業や消費者への影響
規制対象機器を使用している企業や自治体、個人は、2029年までに代替機器への移行を進める必要がある。しかし、アップデートが継続されることで、当面の間は機器の安全性を維持できる。
一方で、新規の販売や輸入は引き続き禁止されるため、規制対象機器の入手が困難になる可能性がある。企業は、代替機器の調達や移行計画を早急に策定することが求められる。
今後の展望と課題
FCCは、2029年以降の規制強化に向けた検討を進めている。具体的には、規制対象機器の完全な使用禁止や、新たなセキュリティ基準の導入が検討されている。
しかし、規制対象機器の代替品の供給不足やコスト増加といった課題も指摘されている。特に、中小企業や地方自治体にとっては、移行コストの負担が大きな障害となる可能性がある。
FCCは、移行期間の延長や支援策の検討も視野に入れているが、具体的な施策については今後発表される見通し。