CIAの「世界 Factbook」が突如廃止、その後に起きた奇跡
米国中央情報局(CIA)が1962年から提供してきた世界各国の包括的データベース「世界 Factbook」が、2024年初頭に突如廃止された。紙媒体からオンライン版へと進化を遂げてきたこの貴重なリソースは、60年以上にわたり世界中の研究者、ジャーナリスト、一般市民に利用されてきた。しかし、2月4日の発表と同時に全ページが削除され、事実上の消滅を迎えた。
ボランティアが蘇らせた「OpenFactBook」
CIAによる廃止発表後、すぐに動きがあった。コミュニティ主導で「OpenFactBook」が立ち上げられ、世界 Factbook の全データが復元された。現在、誰でも無料でアクセスできる状態で提供されている。
主な特徴と使い方
OpenFactBookは、元の世界 Factbook と同様に、各国の基本情報から詳細な統計データまで幅広くカバーしている。トップページから国を選択すると、以下の情報が表示される。
- 基本情報:国名、首都、公用語、面積、人口など
- 地理情報:地図、最高地点、最低地点、海岸線の長さなど
- 経済データ:GDP、失業率、輸出入額、通貨など
- 歴史的背景:簡潔な歴史年表
- 特殊データ:農業利用率、軍事費、インターネット普及率など
例えば、バチカン市国の場合、最高地点は「バチカン庭園(78メートル)」、最低地点は「サン・ピエトロ広場(19メートル)」で、農業利用率は0%という興味深いデータが確認できる。
「国比較ツール」で複数国のデータを一覧
OpenFactBookの目玉機能の一つが「国比較ツール」だ。メニューバーからアクセスでき、最大4か国までのデータを横並びで比較できる。人口規模、経済規模、生活水準などを一目で把握できるため、国際情勢の理解やビジネス戦略の立案に役立つ。
データの信頼性と更新頻度
OpenFactBookのデータは、元の世界 Factbook に加え、世界銀行グループやREST Countries APIなど複数の信頼できるソースから収集されている。コミュニティによるメンテナンスが行われており、常に最新のデータが反映される仕組みだ。
使い勝手と将来性
OpenFactBookは、ウェブブラウザのみで利用できるシンプルなウェブサイトだ。アカウント登録やソフトウェアのインストールは不要で、誰でも無料でアクセスできる。寄付による支援も受け付けており、サーバー運営費やデータアクセス費用に充てられる。
今後もコミュニティによるアップデートが続けられる見込みで、世界各国のデータが常に最新の状態で提供されることが期待される。研究機関、教育現場、ビジネスシーンなど、幅広い分野での活用が見込まれている。
「OpenFactBookは、政府が提供していた貴重な情報を、コミュニティの力で永続的に保存し、誰もが自由に利用できる形で提供するプロジェクトです。これからも多くの人々に活用されることを願っています。」
— OpenFactBook プロジェクトチーム
まとめ:無料で使える世界地図データベースの新たな選択肢
CIAによる廃止という残念な出来事の裏で、ボランティアの尽力により世界 Factbook のデータが蘇った。OpenFactBookは、地理、経済、歴史など多岐にわたるデータを網羅した無料のオンラインリソースとして、今後ますます重要な役割を果たすことだろう。研究者や学生、ビジネスパーソンにとって、貴重な情報源となることは間違いない。
アクセスは https://www.openfactbook.org から。ぜひ活用してみてはいかがだろうか。