米国の複数の連邦政府機関が、Anthropic社の新しいサイバーセキュリティモデル「Mythos」を採用し、システムの脆弱性発見に活用し始めている。その一方で、米国のサイバーセキュリティを統括する中枢機関であるサイバーセキュリティ・インフラストラクチャセキュリティ庁(CISA)は、同モデルへのアクセスを保持していないことが明らかになった。
Axiosによると、CISAはAnthropicが「Mythos Preview」として発表したこのツールにアクセスできていないという。同モデルは、セキュリティ上の脆弱性を迅速に発見し、パッチを適用するための強力なツールとして注目を集めている。一方で、商務省や米国家安全保障局(NSA)などの他の機関は既にMythosを活用しており、トランプ政権下の政府はさらに広範なアクセス権獲得に向けた交渉を進めていると報じられている。
Mythosは、大規模言語モデル(LLM)を活用したセキュリティツールで、AIを駆使してシステムの脆弱性を自動的に検出し、修正提案まで行うことが可能とされている。特に、クラウドサービスや政府機関のシステムにおけるセキュリティリスクの低減に貢献すると期待されている。
CISAがMythosを導入しない理由については明らかにされていないが、セキュリティツールの選定においては、信頼性や透明性、規制要件への適合性などが重視されるため、慎重な判断が求められている可能性がある。また、同庁は独自のセキュリティ基準やツールを既に保有しており、それらとの整合性を考慮している可能性も指摘されている。
今後、CISAがMythosの導入に踏み切るかどうかは、同庁のセキュリティ戦略やAI技術の活用方針に大きく左右される見通しだ。米国のサイバーセキュリティ体制の強化に向けた動きとして、関係機関の動向が注目される。