Macに勝手に4GB超のAIモデルをダウンロードしていたChrome
2020年発売のM1 MacBook Airは今でも快適に動作するが、年月の経過とともに蓄積されたファイルやソフトウェアにより、ストレージ不足が深刻な問題となっている。そんな中、セキュリティ研究者のAlexander Hanff氏が5月4日に発表したレポートで、Google Chromeがユーザーの同意や通知なしに、4GBを超えるAIモデル「Gemini Nano」を自動でダウンロードしていたことが明らかになった。
Gemini Nanoとは?Chromeに勝手にインストールされる理由
Gemini Nanoは、Chromeバージョン126(2024年6月発売)から導入されたAIモデルで、ユーザーの端末上でAI処理を行うことで、書き込みや編集機能を向上させることを目的としている。これにより、データをGoogleのクラウドに送信することなく、ローカルで処理できるようになる。
しかし、このGemini Nanoは、ユーザーが使用していない場合でも、ストレージを圧迫するだけでなく、セキュリティ上の懸念も指摘されている。特に、Macユーザーの間では、この勝手なダウンロードに対する不満が高まっている。
「weights.bin」を削除しても再ダウンロードされる問題
多くのユーザーがGemini Nanoの削除に苦労している。例えば、Chromeのメインブラウザを使用していないユーザーや、別のAIサービス(Claudeなど)を主に利用しているユーザーにとって、この4GB超のファイルは無駄なストレージ消費でしかない。単純に「weights.bin」というファイルを削除しても、Chromeが再ダウンロードしてしまうため、根本的な解決にはならない。
Googleが発表した「簡単なオフ機能」はMacでは機能しない
Googleは2月に、Chromeの設定からGemini Nanoを無効化・削除できる機能をリリースしたと発表したが、実際にはこの機能が利用できるのはWindows版のみで、Mac版ではまだ対応していない。筆者が確認したChromeバージョン148(macOS 26およびWindows 11)では、Windows版のみ「On-device AI」というトグルが表示され、これをオフにするとGemini Nanoが削除される。しかし、Mac版ではこの機能が見当たらず、Googleの広報担当者も具体的な対応時期について明言していない。
ネット上の対処法も効果なし
現在、ネット上ではGemini Nanoを削除するためのさまざまな回避策が紹介されているが、筆者のMac(2台のmacOS環境)ではいずれも効果がなかった。多くの記事ではChromeの「フラグ」機能を使った対処法が紹介されているが、これらは実際には機能しないことが確認されている。
Macユーザーが取るべき具体的な対策
現時点でMacユーザーがGemini Nanoを削除するために取れる具体的な手段は以下の通りだ。
- Chromeの設定を確認する:Chromeの設定画面から「Gemini Nano」や「On-device AI」の有無を確認し、該当する項目があればオフにする。
- Chromeの再インストール:Chromeをいったんアンインストールし、最新版を再インストールする。ただし、再インストール後もGemini Nanoが再ダウンロードされる可能性がある。
- ストレージ管理ツールの活用:macOSのストレージ管理機能を使って、Chrome関連のキャッシュやデータを削除する。
- 代替ブラウザの利用:Chromeに依存せず、FirefoxやSafariなどのブラウザに切り替えることで、Gemini Nanoの影響を回避する。
- Googleへのフィードバック:Googleに対してMac版でもGemini Nanoのオフ機能を提供するよう要望を出す。公式サポートやフォーラムを通じて声を届けることが重要だ。
Googleの対応状況と今後の展望
Googleは、Gemini Nanoを導入した理由について「ユーザーの利便性向上」と説明しているが、多くのユーザーにとってはストレージの圧迫やプライバシーの懸念が大きな問題となっている。現時点では、Macユーザー向けの明確な解決策が提供されていないため、今後のアップデートに期待がかかる。
「Googleは2024年2月にGemini Nanoをオフにできる機能をリリースしたと発表したが、実際にはWindows版のみで、Mac版ではまだ対応していない。ユーザーの声を無視できなくなるまで、どれだけ時間がかかるのか。」
まとめ:ストレージ不足に悩むMacユーザーへのアドバイス
Gemini Nanoの問題は、単にストレージの圧迫にとどまらず、ユーザーの同意なしにソフトウェアが自動でダウンロードされるというプライバシーの観点からも問題視されている。Macユーザーは、現時点では代替ブラウザの利用やストレージ管理ツールの活用など、自分でできる対策を講じる必要がある。Googleには、Macユーザー向けの早急な対応を求めたい。