プロレスの祭典「レッスルマニア」が幕を閉じたが、多くのファンが驚いたのではないだろうか。WWE王座戦を圧倒したのは、スポーツ番組の常連となった元パンターの活躍だった。歴史ある選手権試合を脇に追いやったその存在感は、まさに「プロレスの力」を象徴していた。

WWEの試合運びに批判はつきものだが、今回も「凡ミスを徹底的に失敗させる」というお決まりの展開が見られた。テリー・ファンクが墓の下で泣いているのではないかとさえ思ったほどだ。とはいえ、プロレスとNFLの世界を掛け合わせるのは意外と理にかなっている。リングとフィールドは似ていないが、どちらも「ドラマ」が命だ。

NFLの魅力は、シーズン中のドラマにある。移籍騒動、オーナーへの不満、選手同士の確執──。これらはプロレスのストーリー展開そのものだ。2025年シーズンも、A.J.ブラウンのトレード報道やソーシャルメディアの発言が注目を集めた。シーズン終盤には、監督自らがチームを痛烈に批判するという「プロモ」が飛び出した。サム・ダーノルドの「敗者からチャンピオンへ」という物語は、まさにプロレスの世界観そのものだ。

そこで今回は、NFLのクォーターバック(QB)とプロレスラーを比較してみた。両者の共通点を探りながら、その魅力に迫る。

パトリック・マホメス vs ケニー・オメガ

パトリック・マホメス(カンザスシティ・チーフス):2018年に先発QBに抜擢されると、50タッチダウンパスを決めるMVP級の活躍でNFLを一変させた。同様に、ケニー・オメガも2010年代中盤の新日本プロレスで旋風を巻き起こし、後にAEW(オール・エリート・レスリング)の礎を築いた。

マホメスは5度のスーパーボウル出場、3度の優勝を果たし、史上最高のQBの一人と称される。直近でもAEW「ダイナスティ」のメインイベントでMJFと激闘を繰り広げ、リングの世界でもその名を不動のものにしている。

ジャスティン・ハーバート vs サミ・ザイン

ジャスティン・ハーバート(ロサンゼルス・チャージャーズ):デビューから圧倒的なスピードで69タッチダウンを決め、2年目には5,000ヤード超えを達成。デビュー2年でこれだけの記録を残したQBは彼しかいない。その一方で、サミ・ザインはWWEデビューから10年間、誰からも悪口を言われない「好青年」キャラクターで人気を博した。

しかし近年、ザインの「アンダードッグ」キャラクターはマンネリ化しつつある。ハーバートの華々しい活躍と比較すると、ザインの存在感が薄れつつあるのも事実だろう。果たして、ハーバートはNFL界のザインを超える活躍ができるのか──。今後の展開が注目される。

出典: SB Nation