世界最大の時価総額を誇る企業のCEOという立場は、簡単なものではない。その圧力に耐え切れずに精神を崩壊させるCEOもいるだろう。NVIDIAのジェンスン・フアンCEOもその一人だ。最近のポッドキャスト出演で、中国に関する厳しい質問を受け、激高したのである。
テック系YouTuberのドワルケシュ・パテル氏が主催するポッドキャスト収録中、フアンCEOは米国の国家安全保障リスクにつながるとして、先端AIチップの中国への販売について問われた際、苛立ちを露わにした。
パテル氏は、中国へのチップ供給が米国の技術競争力を高める可能性を示唆するため、アンスロピックのClaude Mythosモデルを例に挙げた。これに対し、フアンCEOは激しく反論した。
「私は負け犬になった覚えはありません。負け犬の発想など、私にはまったく理解できません」
フアンCEOは、中国市場から撤退すれば中国の技術自立を促すだけだと主張。米国の技術エコシステムへの依存を維持することが、米国の優位性を保つ鍵だと強調した。
「世界中のAI開発者が米国の技術スタックで開発を行い、AIの進歩を米国のエコシステムに還元することが重要です。オープンソースのAIが中国の技術スタックでのみ動作し、米国の技術スタックで動作しない閉鎖的なエコシステムを作るべきではありません。これは米国にとって極めて残念な結果を招くでしょう」
しかし、フアンCEOの主張は必ずしも現実を反映していない可能性がある。中国政府は2025年のトランプ政権による貿易関税の影響もあり、米国製AIチップへの依存を低減させる動きを強化している。NVIDIAが当面の間は優位に立つものの、中国の技術発展のスピードを考慮すれば、市場の行方は必ずしも明確ではない。