米OpenAIは10月8日、サイバーセキュリティ向けの信頼性検証プログラム「Trusted Access for Cyber」を拡充し、新たなAIモデル「GPT 5.4 Cyber」を導入すると発表した。同プログラムは、数千人規模の個人・組織に提供され、製品の脆弱性検出やセキュリティ強化に活用される。

GPT 5.4 Cyberは、サイバーセキュリティ専門タスクに最適化されたChatGPTの新バージョン。OpenAIは、同モデルを通じて高度なセキュリティツールの普及を目指すとともに、悪用リスクを抑えるための厳格な検証プロセスを維持する方針だ。

同社は公式ブログで「「ツールの普及を最大化しつつ、悪用を防ぐ」」と述べ、合法的な利用者と悪意ある利用者を恣意的に判断するのではなく、検証と信頼性の仕組みを通じてアクセスを管理する方針を示した。

競合他社の動向との比較回避

OpenAIの発表は、先週Anthropicが発表した「Project Glasswing」との類似性が指摘されるが、同社は直接的な比較を避けている。Project Glasswingでは、未公開モデル「Claude Mythos」を主要テック企業に提供し、商業利用が困難なほどの高リスクと位置付けられている。

米英のサイバーセキュリティ専門家らは、Claude Mythosが従来のフロンティアモデルを上回る脆弱性検出・悪用能力を持つと評価する一方で、その影響については議論が続いている。同様に、GPT 5.4 Cyberも脆弱性検査やリサーチに特化しており、今後さらなる改良が加えられる見込みだ。

インフラ防護への段階的拡大を計画

OpenAIは、GPT 5.4 Cyberの利用を段階的に拡大し、重要インフラや公共サービス、デジタルシステムの保護に携わる幅広いサイバー専門家に提供する計画を明らかにした。ただし、同社は特定の産業やセクターを選別するのではなく、「自らを守る正当な利用者にアクセスを提供する」方針を掲げている。

「中央集権的に誰が防衛に参加できるかを決めるのは現実的でも適切でもない。検証、信頼性、説明責任を基盤に、できるだけ多くの正当な防衛者を支援することが目標だ」
— OpenAI公式ブログより

同社は今後も、プログラムの改善を通じてサイバーセキュリティの向上に貢献するとしている。

出典: CyberScoop