2025年以降のコレクター車市場で、ベビーブーマー層(1946~1964年生まれ)の活動が活発化している。昨年初頭には、それまで最大勢力だったジェネレーションX(1965~1981年生まれ)を追い抜き、再び市場の最大勢力となった。この傾向は、保険見積もりデータから読み取れる。保険見積もりは、どの世代がどの車種に関心を持っているかを把握する上で、信頼性の高い指標となる。

その一方で、若年層の自動車への関心も依然として高い。彼らの将来的な動向は市場全体に大きな影響を与えるため、今から注目すべき対象だ。ハガティ社の保険見積もりデータを分析したところ、Z世代(1997~2012年生まれ)が特に注目する車種が明らかになった。以下に、彼らの間で人気の高い上位5車種を紹介する。

Z世代のコレクター市場における存在感

保険見積もりデータによると、Z世代はコレクター車市場の約10%を占めるに過ぎない。ミレニアル世代(1982~1996年生まれ)の20%と比較すると、その規模は半分程度だ。ベビーブーマー層とジェネレーションX層を合わせると、市場の約3分の2を占める。

今回のランキングは、Z世代による見積もり件数の絶対数ではなく、各車種に対するZ世代の見積もり割合に基づいている。そのため、ミレニアル世代の見積もり件数が多い車種でも、Z世代の割合が高ければランキング入りする可能性がある。

Z世代の車選び、JDM人気の理由

データからは、Z世代とミレニアル世代の嗜好が似ていることが明らかになった。また、JDM(日本車)の人気が圧倒的だ。ランキング上位5車種のうち、3車種は日本国内でしか新車として販売されていないモデルだ。米国で販売されている車種も、25年ルールに基づく個人輸入によるものが多い。

1. ホンダ・ビート

ホンダ・ビートは、Z世代の間で圧倒的な人気を誇る。その理由は、ケイカー(軽自動車)サイズのコンパクトなボディ、甲高い3気筒エンジンのサウンド、そして斬新なシマウマ柄のインテリアにある。価格も100万円を超えることは稀で、同時期のライバル車種であるスズキ・カップチーノやオートザム・AZ-1と比較しても、手頃な価格帯に収まっている。

「白いタコメーターが、運転者にレースカーに乗っていることを思い出させてくれる。0-60mph加速に13秒かかるのにね」
ダンカン・インポート社提供

2. トヨタ・セルシオ(レクサスLS)

トヨタ・セルシオは、日本国内専売車種として販売されていたが、海外ではレクサスLSとして販売されていた。Z世代が、なぜトヨタのバッジを付けたフルサイズのラグジュアリーセダンに惹かれるのか、その理由は明確ではない。しかし、価格は比較的手頃で、多くの個体が100万円前後の価格帯で取引されている。

3. ホンダ・S2000

ホンダ・S2000は、Z世代にとって特別な存在だ。2.0Lの高回転型エンジンと、軽量なボディが特徴で、サーキット走行にも適している。価格も比較的安価で、中古市場では150万円前後で取引されることが多い。

4. マツダ・RX-7(FD3S)

ロータリーエンジンを搭載したマツダ・RX-7(FD3S)は、Z世代の間で伝説的な存在となっている。その独特なサウンドと俊敏なハンドリングは、多くの若者を魅了している。中古市場では、状態の良い個体が300万円前後で取引されることが多い。

5. スバル・インプレッサWRX STI(初代)

初代スバル・インプレッサWRX STIは、Z世代にとって憧れの車種だ。その理由は、ラリー競技での活躍と、シンメトリカルAWDシステムによる優れた走行性能にある。中古市場では、200万円前後で取引されることが多い。

Z世代の車選びに見る将来のトレンド

Z世代の車選びからは、以下のような傾向が見られる。

  • JDM人気の高まり:日本車、特に1990年代~2000年代初頭のJDMモデルへの関心が高い。
  • コンパクトで個性的なデザイン:小型で独創的なデザインの車種が好まれる傾向にある。
  • エンジンの個性:高回転型エンジンやロータリーエンジンなど、独特なサウンドやパフォーマンスを持つエンジンが注目を集める。
  • 手頃な価格帯:100万円~300万円程度の価格帯の車種が人気で、高価な車種よりも手頃な価格の車種が好まれる傾向にある。

これらの傾向は、今後のコレクター車市場に大きな影響を与える可能性がある。特に、JDM人気の高まりは、日本車メーカーにとっても大きなビジネスチャンスとなるだろう。

出典: Hagerty