ドイツの名門チューナーABT Sportslineが、スペインの高性能ブランドクプラのクロスオーバー「フォルメント VZ5」を大幅に強化し、626馬力という驚異的なパフォーマンスを実現した。このプロジェクトは、欧州で近いうちに消滅が予想されるアウディの5気筒エンジンを惜しみなく活用した、限定30台の特別仕様車となる。

同車は、2.5リッター直5ターボエンジンをベースに、新型ターボチャージャー、高性能インタークーラー、ECUの再チューニング、そしてABT独自の「IWI(水-エタノール噴射システム)」を搭載。専用制御ユニットにより流体レベルを監視し、エンジンの冷却効果を高めることで、高負荷時でもパフォーマンスを維持する。その結果、626馬力(467kW / 635PS)700Nm(516lb-ft)のトルクを発生。標準モデル比で馬力は241馬力、トルクは220Nm向上した。

最高速度は300km/hを記録し、0-100km/h加速は未発表ながら、その性能はランボルギーニ・ウラカンを上回る。また、同エンジンを搭載するアウディ・RS3をABTがチューニングした「RS3-R」の503馬力をも凌駕する。

足回りとデザインの強化

足回りは、Nurburgring向けに開発されたスポーツスタビライザーバーと、圧縮・伸びを個別に調整可能なコイルオーバーを採用。日常使用でも快適な走りを実現しつつ、サーキットでの性能も確保している。外観は、フロントスプリッターとリヤディフューザーにカーボンファイバーを使用し、ルーフスポイラーにはグロスブラックのエクステンションを装備。20インチのグロスブラックアルミホイールに乗り、サスペンションの低下によりスタイルも一新された。

内装は、ABT製のイグニッションスイッチボタン、フロアマットの「VZ5 635」刺繍、エアコンベント周りの「1 on 30」のエンボス加工など、限定モデルならではの特別仕様が施されている。

限定30台の特別プロジェクト

この「フォルメント VZ5 635」は、ABTの設立130周年を記念した限定30台の特別仕様車として生産される。同社は2021年にフォルメントの4気筒モデルを365馬力に強化するプロジェクトを開始し、2022年には5気筒VZ5を444馬力にチューニング。今回の626馬力仕様は、その集大成となるフラッグシップモデルだ。

出典: CarScoops