暗号資産(暗号通貨)市場で、イーサリアム(ETH)が再び注目を集めている。先物・オプション市場では上昇期待が高まり、2,330ドル台まで上昇。これは2月に次ぐ水準で、2025年7月・8月以来となる連続月間上昇の可能性を示唆している。
暗号資産データプロバイダー「CryptoSlate」の分析によると、ETHは今月に入り約11%上昇。4週間連続の上昇は、ほぼ1年ぶりの長期記録となった。この上昇トレンドにより、ETHは2,330ドル台まで到達し、2025年2月以来の高値を記録した。
先物・オプション市場が示す3,200ドルへの期待
最大の暗号資産オプション取引所「Deribit」のデータによると、ETHのコールオプション(買い権)のオープンインタレスト(未決済残高)が3,200ドルの行使価格で3億2,200万ドルに達している。次いで2,500ドルの行使価格でも3億2,000万ドルのオープンインタレストを記録。コールオプションは原資産価格が行使価格に近づくほど価値が高まるため、現在の回復局面を超えた上昇を織り込む動きが強まっている。
ただし、オプション取引にはヘッジ目的やスプレッド取引、ボラティリティ戦略、マーケットメイカーのエクスポージャーなどが含まれるため、全てが直接的な強気シグナルとは限らない点に留意が必要だ。
ETF資金流入が示す機関投資家の動向
米国の現物イーサリアムETFも、今回の上昇を支える強力なシグナルとなった。データ分析プラットフォーム「SoSoValue」によると、4月9日から22日までの10日間で10のETH-ETFが6億3,300万ドル以上の資金流入を記録し、今年の最長記録となった。これは2025年6月以来の流入規模だ。
しかし、4月23日には7,594万ドルの資金流出を記録し、4月初旬以来初のマイナスとなった。それでも、規制された投資家がビットコインに偏っていた数カ月間を経て、再びイーサリアムへの関心が高まっていることが示された。
ETFの資金流入は、先物市場のレバレッジ取引ではなく、現物ベースの需要を反映するため、機関投資家の動向を把握する上で重要な指標とされている。
スマートマネー指標も改善
暗号資産分析プラットフォーム「Alphractal」の「Ethereum Smart Money Flow Index」も、数週間にわたり価格とのポジティブな乖離を示している。これは、ETHの価格上昇が顕在化する前に機関投資家の需要が改善していたことを示唆している。
一方で、直近の資金流出は、ビットコインのようにETFを通じた一貫した需要がまだ確立されていないことを示しており、イーサリアムの回復が本格化するにはさらなる資金流入が必要とされる。