エルサルバドルの首都サン・サルバドルの中心部に位置するBINAES図書館は、知識・文学・テクノロジーへの愛情を象徴する未来的な施設として、24時間無料で一般公開されている。メトロポリタン大聖堂の正面に建つこの図書館は、国立宮殿中央アメリカ庭園に囲まれ、美しさと知識への愛を共有する社会の実現を目指す象徴的な存在だ。

筆者がこれまで訪れた多くの都市と比較しても、サン・サルバドルのこのエリアの安全性・清潔さ・静けさは際立っていた。多くの西側諸国の都市広場とは対照的に、ゴミやホームレス、薬物依存者が見られることが少なく、図書館周辺の庭園や歩道、そして館内では、子どもたちとその家族が安心して過ごしている姿が見られた。

中国政府からの寄贈による7階建ての未来的施設

BINAES図書館は、中国政府からエルサルバドルに寄贈された7階建ての大規模図書館だ。1階にはカフェテリア、7階にはイタリアンレストランが併設されており、さまざまな規模のイベントを開催できるスペースも完備されている。その斬新な未来的デザインは、エルサルバドルの未来像と見事に調和しており、特にビットコイン技術と教育資料が随所に取り入れられている。

家族と次世代を支援する多様な施設

BINAES図書館は、家族と次世代の育成に重点を置いた設計となっている。2階には幼児向け遊戯スペースが設けられており、教育的なツールや書籍、身体活動用の遊具が用意されている。3階にはLEGOコーナーが設置されており、子どもたちの創造力を刺激するだけでなく、親子で一緒に遊べるテーブルも完備。さらに、ファミリー向けゲームとして知られる「マリオパーティ」や「Minecraft」などのビデオゲームも楽しめる。

4階は8~12歳の子どもやファンタジー・フィクション愛好家向けのフロアで、スター・ウォーズロード・オブ・ザ・リングハリー・ポッターなどの専用エリアが設けられている。また、日本発の人気ジャンルであるマンガのコーナーも充実しており、各作品の世界観に合わせたコレクション用LEGOやグッズ、書籍が展示されている。

5階は大人のための文学・歴史書が中心のフロアで、知識の中核を担う空間だ。社会科学に関する書籍も多数収蔵されており、オーストリア学派の経済学者であるミーゼス、ミルトン・フリードマン、ロスバード、アイン・ランドらの著作も一部取り扱っている。

「BINAESは、知識とテクノロジーの融合だけでなく、家族が共に過ごす場としての役割も果たしている。エルサルバドルの未来を担う子どもたちにとって、まさに理想的な環境だ」
(筆者コメント)

エルサルバドルの新たな象徴として

BINAES図書館は、単なる図書館にとどまらず、ビットコイン技術の教育拠点としても機能している。館内にはビットコイン関連の展示やセミナーが行われるスペースがあり、国のデジタル通貨政策を学ぶ機会も提供されている。また、図書館周辺の整備された公園や歩道は、市民の憩いの場としても機能しており、エルサルバドルの新たな文化的ランドマークとなっている。