カリフォルニア州運輸局(DMV)はこのほど、自動運転車(AV)に対する新たな規制を発表した。これにより、7月1日以降、自動運転車が交通違反を犯した場合、警察がメーカーに対して「自動運転車非遵守通知(Notice of AV Noncompliance)」を発行できるようになった。

対象となる違反行為には、赤信号無視、スクールバス停止義務違反、速度超過、車線変更違反などが含まれる。これまでは自動運転車が交通ルールを破っても、法的責任が曖昧だったが、今回の規制によりメーカー側に責任が問われることになる。

背景:相次ぐ自動運転車のトラブル

この規制強化は、過去数年にわたる自動運転車のトラブルや安全調査を受けての措置だ。特に問題視されているのが、ロボタクシーの違反行為だ。複数の事業者が運行する自動運転車が、歩行者や他の車両に危険を及ぼす事例が報告されている。

また、テスラの「フルセルフドライビング(FSD)」システムについても、赤信号無視や逆走などの重大な違反が確認され、カリフォルニア州当局による調査が進行中だ。同州の自動車局は、FSDシステムが「完全な自動運転」と称しているにもかかわらず、実際の運転挙動が人間の運転と同等かそれ以上の安全性を確保できていないと指摘している。

規制の内容と影響

新規制では、警察が自動運転車の違反を確認した場合、直ちにメーカーに通知が送られる。メーカーは通知を受けてから30日以内に、違反の原因究明と再発防止策を提出しなければならない。再発防止策が不十分な場合、当局は運行許可の一時停止や取り消しを命じることができる。

さらに、自動運転車メーカーは、違反が発生した際に即座に警察に報告する義務が課される。これにより、交通違反の実態把握と迅速な対応が可能になると期待されている。

業界の反応と今後の展望

自動運転業界からは、規制強化に対する賛否両論が出ている。一部のメーカーは、規制が厳格化されることで安全性が向上すると歓迎する一方で、過度な規制が技術革新を阻害すると懸念する声もある。

カリフォルニア州は、自動運転技術の先進地として知られており、全米で最も多くの自動運転車が走行している。今後、他州でも同様の規制が導入される可能性があり、業界全体に大きな影響を与えることが予想される。

出典: The Verge