2025年4月21日、リスボン(ポルトガル)にて開催された経済学会議に出席したノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン氏は、トランプ前米大統領によるイラン政策が米国に及ぼした深刻な影響について、厳しい見解を示した。
クルーグマン氏は、トランプ政権が2018年にイラン核合意から離脱し、制裁を強化したことで、米国経済が長期的な損失を被ったと指摘。特に、エネルギー価格の高騰や貿易摩擦の激化が、米国企業の競争力を低下させたと分析した。
さらに、同氏は「トランプ氏の政策は、米国の国際的な信頼を著しく損なう結果となった」と述べ、米国の外交的立場が弱体化したと強調。国際社会における米国のリーダーシップ低下が、経済的な損失にとどまらず、安全保障上のリスクにもつながると警鐘を鳴らした。
経済的損失の具体例
- エネルギー価格の上昇:制裁による原油供給の不安定化で、米国のガソリン価格が高止まりし、家計負担が増加。
- 貿易摩擦の拡大:欧州やアジア諸国との貿易関係が悪化し、米国企業の輸出が減少。
- 投資環境の悪化:制裁下のイランとの取引制限が、米国企業の海外進出を阻害。
クルーグマン氏は、こうした政策の失敗が、米国経済の長期的な成長を阻害するだけでなく、国際的な孤立化を招くとの見解を示した。その上で、米国はイラン政策の根本的な見直しが必要であり、国際協調を重視した外交戦略への転換が急務だと提言した。
同氏はまた、米国が再びイラン核合意に復帰することで、中東地域の安定化が図れるとの見通しを示した。しかし、現状の政治的対立を考慮すると、実現には多くのハードルがあるとの見方も示した。
出典:
The New Republic