「バイオハザード」新作、サバイバルホラーの本質を映像化
これまで2本の単独監督作を手掛けてきたザック・クレッガー監督は、静かな家屋に潜む恐怖と走り続ける行為に強いこだわりを持つ。その特徴が、最新作「バイオハザード」のティザー映像で遺憾なく発揮されている。前作「Weapons」に続く新たな挑戦となる本作は、シリーズの原点回帰ともいえるサバイバルホラーの要素を前面に押し出した内容となっている。
ティザー映像に込められた緊張感
ティザー映像では、主演のオースティン・エイブラムスが雪に覆われた敷地を横切り、孤立した家屋に到着するシーンから始まる。家の中は無人だったが、彼は愛する人に電話をかけ、生存に必要な物資を探し始める。やがてショットガンと鍵を手に入れ、それらを戦略的に使いながらゾンビの脅威から逃れようとする。映像の随所で見られる「走る」という行為と「物資の確保」は、これまでの「バイオハザード」映画シリーズとは一線を画す新しいアプローチだ。
シリーズの歴史と新たな方向性
これまで「バイオハザード」映画シリーズは、ポール・W・S・アンダーソン監督による6作品(ミラ・ジョヴォヴィッチ主演の「アリス」シリーズ)が主流だった。批評家からは高い評価を得られなかったものの、独特の世界観はカルト的な人気を博していた。しかし、2021年のリブート作「バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ」は、ゲームの設定やキャラクター(クレア・レッドフィールド、クリス・レッドフィールド、ジル・バレンタインなど)を忠実に再現したものの、興行的には失敗に終わった。その結果、クレッガー監督による新作への期待が高まっている。
ゲームの要素を取り入れつつも独自の物語を展開
クレッガー監督は「ゲームの最大の信者」を自認しており、本作がゲームの世界観に忠実であることを明言している。ティザー映像では、ゲームに登場するゾンビの亜種が確認できるほか、エイブラムス演じる配達員がラクーンシティ病院に荷物を届けるという、ゲームの設定を踏襲した要素も含まれている。しかし、監督は「これはゲームのキャラクターを超えた、まったく新しい物語」だと述べている。その語り口は、サム・ライミ監督の「 Evil Dead II 」に例えられており、孤立した家屋でモンスターの襲撃に耐えるという構図が共通している。また、テスト上映を観た観客からは「マッドマックス:フュリオサ」のようなホラー版と評されており、走り続けるシーンの多さがその印象を裏付けている。
今後の展望と期待
これらの反応から、本作が単なるゲームの実写化にとどまらず、サバイバルホラーとしても高い完成度を持つことが伺える。何よりも、クレッガー監督の個性が存分に発揮された作品となることが期待される。今後の公開が待ち遠しい一作だ。
「これはゲームのキャラクターを超えた、まったく新しい物語」
— ザック・クレッガー監督
「バイオハザード」シリーズの変遷
- ポール・W・S・アンダーソン監督版(2002年-2016年):ミラ・ジョヴォヴィッチ主演の「アリス」シリーズ。批評的には厳しい評価ながら、カルト的人気を確立。
- ヨハネス・ロバーツ監督版(2021年):「ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ」。ゲームの設定を忠実に再現したが、興行的には失敗。
- ザック・クレッガー監督版(2024年発売予定):サバイバルホラーの本質を追求した新しいアプローチ。