米国の人気作家スティーブン・キングは4月27日、X(旧Twitter)で、ドナルド・トランプ前大統領によるABCテレビの人気深夜番組司会者ジミー・キンメル解雇要求に対し、皮肉を込めた反論を表明した。

キングは「ガラスの家に住む者が石を投げるな」と投稿。同氏の代表作である『キャリー』や『シャイニング』で知られる作家らしい、鋭い表現でトランプ一家のダブルスタンダードを指摘した。

「メラニア・トランプはジミー・キンメルの解雇を求める。先週、彼女の夫はロバート・ミュラー元特別検察官の死去に対し「良かった。死んでくれて嬉しい」と発言。同じように、古くからの友人ロブ・ライナーについても同様の発言をしていた。ガラスの家に住む者が石を投げるな— スティーブン・キング (@StephenKing) 2026年4月27日

この一連のやり取りは、キンメルが4月25日のホワイトハウス記者協会晩餐会(WHCD)直前の番組で、メラニア夫人を「出産直前の未亡人のように輝いている」と揶揄するジョークを披露したことがきっかけだ。

キンメルは番組内で、WHCDのホスト役を務めるかのような演出で「メラニア夫人、とても美しい。出産直前の未亡人のように輝いている」と発言。この冗談が、メラニア夫人をはじめとするトランプ支持者らの怒りを買った。

メラニア夫人がABCに解雇要求

メラニア・トランプ夫人も4月26日早朝、Xでキンメルの発言を非難し、ABCに対し解雇を求める声明を発表した。

「キンメルの憎悪に満ちた暴力的なレトリックは、我が国を分断する意図がある。家族を揶揄する彼のモノローグはコメディではなく、米国の政治的病巣を深める有害な言葉だ。
キンメルのような人間が毎晩我が家に入り込み、憎しみを広める機会を与えるべきではない。
彼はABCの後ろに隠れているが、同局は彼をかばい続けるだろう。もう十分だ。ABCの経営陣には、我々のコミュニティの犠牲の上に彼の卑劣な行為を許容し続けるのをやめる覚悟が必要だ」

メラニア夫人の投稿に続き、トランプ前大統領もTruth Socialで「キンメルは直ちにABCから解雇されるべきだ。これは到底許容できるレベルを超えている」と投稿し、同様の主張を展開した。

キングが指摘するトランプ一家の矛盾

キングは、トランプ一家がキンメルの発言を問題視する一方で、過去に他者の死去を喜ぶ発言をしていた点を鋭く指摘した。ミュラー元検察官の死去に対し「良かった。死んでくれて嬉しい」と発言していたほか、長年の友人であるロブ・ライナーに対しても同様の発言をしていたと主張した。

このキングの指摘は、トランプ一家の発言の一貫性のなさを浮き彫りにし、多くの支持を集めた。

他の著名人も言論の自由を擁護

キンメルの発言をめぐる議論は、言論の自由を巡る新たな火種となった。多くの著名人がキンメルを擁護し、言論の自由の重要性を訴えた。

  • メフディ・ハサン(ジャーナリスト)
  • ロニ・ラブ(コメディアン)
  • デイビッド・アクセルロッド(元オバマ大統領顧問)

また、米連邦通信委員会(FCC)のアンナ・ゴメス委員は、4月27日のWHCD会場で発生した銃撃事件を受け、「この事件が、我々が不快に感じる発言であっても言論を封じる口実となってはならない」とコメント。負傷したシークレットサービス職員に祈りを捧げるとともに、報道の自由の重要性を強調した。

出典: The Wrap