テネシー州ナッシュビルにある州議会議事堂で5月7日に開催された特別議会で、共和党が主導する新しい連邦議会選挙区割り案が可決された。同州の民主党議員で、地元メンフィスを代表するジャスティン・ピアソン氏は、この改定に反対するデモ隊に演説を行った。

新しい選挙区割りは、民主党に有利な地域を分割し、共和党の議席確保を優先する内容となっている。ピアソン氏は「これは民主主義への攻撃だ。選挙区改定は有権者の声を奪うもので、公正な選挙を阻害する」と強く非難した。

テネシー州では2020年の国勢調査を基に選挙区割りの見直しが行われており、共和党は議会の多数派を維持するために、民主党が強い地域の議席を減らす改定を進めてきた。今回の改定により、メンフィスやナッシュビルなど民主党の支持基盤が分断され、州全体の議席配分が共和党に有利に偏ることが懸念されている。

民主党議員らが抗議活動を展開

ピアソン氏のほか、同州の民主党議員であるジャスティン・ジョーンズ氏も抗議活動に参加。二人は州議会からの追放処分を受けたが、地元の支持を受けて再び議席に復帰した経緯がある。ジョーンズ氏は「選挙区改定は政治的な報復であり、有権者の意思を無視したものだ」と主張した。

地元メディアによると、共和党の改定案は州議会で全会一致に近い形で可決されたが、民主党議員や市民団体からは「選挙の公平性を損なう」との批判が相次いでいる。また、全米各地で選挙区改定をめぐる議論が活発化する中、テネシー州の動きは注目を集めている。

選挙区改定の背景と影響

選挙区改定(リディストリクト)は、米国で定期的に行われる選挙制度の見直しの一環だが、近年では党派間の駆け引きが激化している。共和党は2020年の選挙で全米の州議会の多数派を獲得したことで、選挙区割りの主導権を握り、民主党の影響力を抑える戦略を強化。テネシー州でも同様の動きが顕著となっている。

「選挙区改定は民主主義の根幹を揺るがす問題だ。党派の利害だけで選挙制度が操作されれば、有権者の信頼は失われる」
テネシー州民主党代表

今後、この選挙区割り案が連邦政府の承認を受けるかどうかが注目される。承認されれば、2026年の中間選挙や2028年の大統領選挙に大きな影響を与える可能性がある。