米国のトランプ大統領は8月26日、冷戦時代の国家安全保障法である「防衛生産法(Defense Production Act)」を活用し、国内のモーター燃料および電力供給の強化に乗り出すと発表した。
ホワイトハウスの高官によると、この措置は昨年の共和党予算法で確保された資金をエネルギー省が活用するために必要な大統領令に基づくものだという。
具体的な対象分野
今回署名された一連の大統領令では、以下の分野が対象とされている。
- 石油生産・精製
- 石炭火力発電
- 天然ガスパイプラインおよび処理施設
- 発電用ガスタービンや変圧器の製造
これらの分野は、米国の経済安全保障にとって重要な供給網の一環と位置付けられている。
防衛生産法の活用背景
防衛生産法は1950年に制定された法律で、大統領に対し、米国の安全保障に不可欠な産業の生産能力を強化する広範な権限を与えている。トランプ前大統領だけでなく、バイデン現大統領もこれまでに同法を活用してきた実績がある。
ホワイトハウスの見解
「トランプ大統領は、米国の経済安全保障と国家安全保障を守るため、エネルギー分野の完全な自立を約束してきました。今回の措置により、エネルギー網の強化と信頼性・手頃な価格・安全性の確保が可能になります」
— ホワイトハウス報道官テイラー・ロジャース
実施内容の詳細
各大統領令では、現状の課題と対策が具体的に示されている。例えば、石油生産・精製・物流に関する令では、米国産業が「制約された資金、長期にわたるリードタイム、許認可のボトルネック、供給網の制約」により十分な対応ができないと指摘。連邦政府による「買い上げ、購入契約、生産能力開発への財政支援」などの支援策が検討されている。
また、発電用ガスタービンや変圧器の製造プロジェクトも支援対象となり、これらは現在不足しており、納期も長期化している分野だという。
今後の展望と課題
今回の措置がどの程度プロジェクトや供給の拡大につながるかは、現時点では明確ではない。また、トランプ政権下で防衛生産法の執行を担当するピーター・ナヴァロ氏が再任される可能性も報じられている。