米国の新たな世論調査で、ドナルド・トランプ前大統領の支持層である共和党員の8割以上が、自身をイエス・キリストに見立てた画像投稿を否定的に受け止めたと明らかになった。党派を超えた反発は、現代の米国における宗教と政治の変化を象徴している。

支持層の8割が否定的反応

ワシントン・ポスト、ABCニュース、イプソスが共同で実施した世論調査によると、2024年の大統領選挙でトランプ氏に投票した有権者の80%、共和党員の79%が、トランプ氏が投稿した「自身をイエス・キリストに見立てた画像」に対して否定的な反応を示した。さらに、米国全体では87%が同様の反応を示したという。

宗教メッセージ戦略の限界示す

この反発は、トランプ氏の宗教的メッセージ戦略に対する支持層内部での限界を示すものだ。同氏はこれまで、自身を「キリスト教の擁護者」と位置付け、支持を集めてきた。しかし、今回の画像投稿は、党派を超えた広範な反発を招いた。

ホワイトハウスの報道官、テイラー・ロジャース氏は、声明で「トランプ大統領ほど、キリスト教徒にとって偉大な大統領はいない。その実績が証明している」と述べた一方で、民主党が宗教を巡る問題で連邦政府の力を悪用していると主張した。しかし、データは、支持層であっても、過激または不適切と見なされる表現には一線を画す傾向があることを示している。

党派を超えた反発は珍しい現象

今回のような党派を超えた反発は、現代の米国の世論調査では珍しい現象だ。通常、米国の世論は党派ごとに大きく分かれる傾向にあるが、この画像投稿に対する否定的反応は、白人福音派プロテスタントの9割近くを含む幅広い層に広がった。

宗教と政治の変化を反映

この反発は、米国における宗教と政治の変化を反映している。米国では、無宗教を自認する人が増加しており、ローマ教皇レオ14世(トランプ氏と対立関係にある)は、41%の米国民から好意的に見られている一方で、16%からは否定的に見られている。また、66%の米国民が、レオ14世の「平和を実現するために努力せよ」との呼びかけに対して肯定的な反応を示した。

背景にあるトランプ氏の宗教戦略

トランプ氏は、これまでキリスト教徒の支持を集めるために、自身の宗教的信念を前面に押し出してきた。しかし、今回の画像投稿は、その戦略に対する支持層の反発を招く結果となった。また、国防長官によるペンタゴンでの祈りの際の「暴力的行動」に言及した発言に対しても、69%の米国民が否定的な反応を示した。

画像の内容とその後の経緯

先月、トランプ氏は自身を白と赤のローブを着た姿で描いた画像を投稿した。画像では、片手を病人の額に置き、もう片方の手から光が放たれていた。この画像はSNS上で「冒涜的」との批判を浴び、翌朝にはトランプ氏のアカウントから削除された。その後、トランプ氏は記者団に対し、この画像は「医師」を表したものであり、「赤十字に関係している」と述べた。しかし、画像には赤十字の明確な描写はなかった。

過去の宗教的表現に関するトラブル

これは、トランプ氏がAIで生成した画像を巡ってキリスト教徒から批判を受けた初めてのケースではない。昨年には、フランシスコ教皇の死去後に、自身を教皇に見立てた偽の画像を投稿し、カトリック教会の枢機卿であるティモシー・ドラン枢機卿からも非難を受けた。

調査の概要

今回の調査は、ワシントン・ポスト、ABCニュース、イプソスが共同で実施したもので、2026年4月24日から28日にかけて、全米2,560人の成人を対象に行われた。調査は、イプソスのKnowledgePanel®を用いた確率標本抽出法に基づいて実施された。

まとめ

トランプ氏の宗教的表現に対する支持層の反発は、米国の宗教と政治の変化を示すものだ。党派を超えた反発は珍しい現象であり、トランプ氏の宗教戦略に対する支持層の反応を示している。また、この反発は、米国における宗教と政治の関係の変化を反映している。

出典: Axios