暗号資産(仮想通貨)の代表格であるビットコインが5月6日、8万ドル(約1,200万円)台に乗せ、過去1カ月で19%の上昇を記録した。米国の現物ビットコインETF(上場投資信託)への資金流入が加速し、機関投資家の需要が再び活況を呈している。
特に5月1日には、米国の現物ビットコインETFに6億3,000万ドル(約950億円)が流入。これにより、2カ月にわたる連続流入が続き、4月の月間パフォーマンスは2024年10月以来の好成績となった。データ提供会社DefiLlamaの分析によると、ETFからの資金流入がビットコイン上昇の主な要因となっている。
機関投資家の需要が持続的な買い圧力に
投資顧問会社Digital Wealth PartnersのCEO、Max Kahn氏は「ETFからの資金流入は、機関投資家の需要を反映した持続的な買い圧力の源泉となっている」と述べ、ビットコインが高値を維持する要因の一つとなっていると指摘した。
こうした動きは、米国の規制環境の整備が進む中で起きている。上院銀行委員会のティム・スコット委員長は5月3日、暗号資産市場の構造を定める「Clarity Act」が5月に超党派での審議入りし、その後すぐに上院本会議にかけられる見通しだと明言した。
「レッドゾーン」に突入、規制不透明感が払拭へ
スコット委員長は「われわれはレッドゾーンに入っている」と述べ、同法案が上院本会議に近づいていることを示唆。各手続き段階で規制の不透明感が払拭され、機関投資家の参入障壁が低下するとの見方を示した。
「13人全員の共和党議員の賛同を得たい。そうすれば超党派での審議がスムーズに進み、5月に審議入りし、本会議にかけることができる」とスコット氏は語った。
マイケル・セイラー氏が先駆け、ストラテジー株が急騰
ビットコイン価格が8万ドルに迫る中、マイケル・セイラー氏(ストラテジー社エグゼクティブチェアマン)は先駆けて動いた。ストラテジー社の株価は5月3日に7%超上昇し、ビットコインの上昇を先取りした投資家に報いた。
先週ラスベガスで開催された「Bitcoin 2026」カンファレンスでは、セイラー氏がビットコインの価格だけでなく、同社の「STRC」と呼ばれるビットコイン担保型優先株式に焦点を当てた。同氏は「300兆ドル規模の世界の信用市場は、2兆ドル規模のビットコイン市場よりもはるかに大きな機会だ」と主張した。
既にブラックロックのiShares Preferred Income Securities ETFがSTRCに2億1,000万ドル(約315億円)を投資しており、STRCの時価総額は9カ月足らずで85億ドル(約1.27兆円)に成長した。
今後の注目イベント
5月は経済イベントが目白押しだ。まず、ジェローム・パウエル現FRB(連邦準備制度理事会)議長の任期が5月15日に終了し、後任のケビン・ウォーシュ氏の承認が目前に迫っている。Polymarketの予測では、承認確率は95%に達している。
経済アナリストのエド・ヤルデン氏によると、5月10日の米雇用統計が最大の注目イベントだ。失業率は4.2%に低下すると予想され、労働市場の健全性を示す失業保険申請件数も堅調と見られている。
また、今週はパランティア、AMD、マクドナルド、Armなど主要企業の決算発表も控える。S&P500企業の44%が決算を発表済みで、2026年の年間利益成長率は19.8%と、過去数年と比較して高い水準が見込まれている。
さらに、9人のFRB高官が今週発言し、金利政策に関する発言に市場が注目する。加えて、ニューヨーク連銀が発表するインフレ期待値も4%近くに上昇すると予想されており、物価動向への関心が高まっている。
暗号資産市場の動向
暗号資産市場では、ビットコインが24時間で2.2%上昇し、79,887ドル(約1,200万円)で取引されている。イーサリアムも3%上昇し、機関投資家の需要拡大を背景に上昇基調が続いている。