米国上院は12日、連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長候補として注目を集めるケビン・ウォッシュ氏を理事に承認した。これにより、来週の議長指名投票に向けた道が整った。
投票は51対45で与党共和党と民主党のジョン・フェッターマン議員の支持を得て可決。ウォッシュ氏は2026年5月16日に任期満了を迎えるジェローム・パウエル現議長の後任として、FRBを率いることになる。
ビットコイン支持で知られるウォッシュ氏
ウォッシュ氏のFRB理事就任は、暗号資産業界にとっても大きな転機となる。これまでFRB議長はデジタル資産に対して懐疑的な見方を示すことが多かったが、ウォッシュ氏はビットコインを「重要な資産」であり「政策の優れた指標」と位置付けている。
「ビットコインは私を不安にさせない。むしろ、FRBの金融政策への信認を示すシグナルになる」
— ケビン・ウォッシュ氏(2025年、フーバー研究所での発言)
ウォッシュ氏は昨年の講演で、ビットコインを米ドルの脅威ではなく、米国の金融政策の信頼性を測る指標として評価していた。
暗号資産業界との関係も注目
ウォッシュ氏の金融資産開示書によると、同氏はビットコイン決済スタートアップ「フラッシュネット」に出資していたことが明らかになった。フラッシュネットは、ライトニングネットワークを活用した決済インフラを提供する企業で、暗号資産の普及を推進する企業の一つだ。
このほか、ウォッシュ氏は暗号資産指数運用の「ビットワイズ」やステーブルコインプロジェクト「ベース」など、複数の暗号資産関連企業との顧問業務や投資を通じて業界との関係を維持してきた。
インフレタカ派としての顔も
ウォッシュ氏は2006年から2011年にかけてFRB理事を務めた際、金融危機後の緩和的な金融政策を批判し、インフレリスクを警告していたことで知られる「インフレタカ派」の一人だ。
しかし最近では、FRBに対する「体制変革」を求める発言や、利下げに前向きな姿勢を示すなど、従来の主張からの転換が見られる。この変化は、ホワイトハウスからの圧力やインフレ圧力の高まりを受けたものとみられ、市場関係者の間で議論を呼んでいる。
市場と暗号資産業界の反応
現在のFRBは、再燃するインフレ圧力、地政学的緊張、そして金利政策の不透明性に直面しており、ウォッシュ氏の就任がどのような政策転換をもたらすかが注目されている。
ビットコインや暗号資産の投資家は、ウォッシュ氏のビットコインに対する肯定的な発言が、FRBの政策にどのような影響を与えるのかを注視している。特に、FRBがビットコインを金融政策の指標として活用する可能性については、業界関係者から期待の声が上がっている。