米司法省が、ドナルド・トランプ前大統領の支持者であるテネシー州選出の共和党議員、アンディ・オーグルズ氏に対する2年にわたる捜査を中止する方向で調整していることが明らかになった。同省はオーグルズ氏の携帯電話を押収した上で、収集した証拠を破棄。議員側の弁護団が提出した法廷文書により、その動きが裏付けられた。
テネシー州ナッシュビルの地元メディアWTVFによると、オーグルズ氏の弁護団は10月22日、司法省との協議を経て、捜査当局が「差し押さえられた財産を速やかに返還または破棄する」との方針を示したと発表した。これにより、議員側が提出していた緊急動議は「取り下げられた」状態となった。
オーグルズ氏の携帯電話は、2024年の予備選挙勝利直後にFBIによって押収された。しかし、捜査の発端はそれより前の2022年の選挙にさかのぼる。当時、議員は選挙資金報告書に「選挙キャンペーンに32万ドルを融資した」と記載していたが、2024年に提出した報告書では実際の融資額が2万ドルであったことが判明。この矛盾が疑惑を招いた。
2025年には、米下院倫理委員会が「連邦選挙資金法違反の相当な理由がある」との見解を示し、議員が個人融資を通じて選挙資金を水増ししていた可能性を指摘した。議員側は「FBIは行政府の一員であり、立法府の議員の私的通信を無断で調査する権限はない」と主張。オーグルズ氏は声明で「FBIが現れた日から、この捜査は不当であり、バイデン政権下の司法省に議員の立法活動に関わる通信を無断で調べる権利はないと主張してきた。トランプ政権下の司法省がこの不正を正してくれたことに感謝する」と述べた。
一方で、オーグルズ氏の法的問題は司法省の捜査中止によって解決したわけではない。下院倫理委員会による調査は現在も継続中であり、議員は引き続き厳しい目にさらされている。