墓地の裏方として活躍する特注車両
霊柩車は葬儀の象徴的存在だが、埋葬後の最後の移動手段は実は墓地専用の小型特殊車両かもしれない。米カリフォルニア州グレンデールにあるフォレストローン墓地(Forest Lawn Memorial Park)では、埋葬作業を支援する目的で開発された特注車両が稼働している。
同墓地は毎年8月に開催される「カー&コーヒー」イベントで、クラシックな霊柩車を展示しているが、その背景にある作業車両群にも注目が集まっている。これらの車両は、埋葬現場の土砂運搬や棺の移動、施設管理など、遺族の負担を軽減するために設計されたものだ。
フォレストローン墓地の特注車両群
同墓地の自動車・機械輸送担当スーパーバイザー、リカルド・ロハス氏によると、これらの車両は1950年代に軍用パワートレインを活用して製作された特注品で、現在も改修されながら使用されている。主な車両は以下の通りだ。
主な車両とその機能
- 土砂運搬車(Dirt Hauler):1987年式シボレー350エンジン、400ターボAT、1984年式GMCトップキックリアデフ、2019年式いすゞトラック前軸を延長して搭載。埋葬地の掘削に必要な土砂を運搬する。
- 棺運搬車(Casket Loader):プロパンガスエンジン搭載のフォード2.5L、435ヘビーデューティー5速MT、NP205トランスファーケース、1トンGMCデフ、いすゞシングル前軸。棺を墓地まで運搬する専用車両。
- カスタム平床トラック(Custom Flatbed):1987年式Pバン前軸、1トンGMCリアデフ、2.5Lフォードガソリンエンジン、C4AT。テント輸送や施設管理に使用される多目的車両。
- ジョンディア除草機(John Deere):65馬力クボタディーゼルエンジン、静水圧式トランスミッション、4WD、105インチカッティングデッキ。墓地内250エーカーの芝刈りを担う。
特注車両の歴史と意義
これらの車両は、いずれも墓地専用に一から設計された特注品であり、1950年代の軍用技術を活用して製作された。その後、改修を重ねながら現在に至っている。ロハス氏は「これらの車両は、遺族が葬儀に集中できるよう、裏方の作業を支援する重要な役割を果たしている」と述べている。
フォレストローン墓地の取り組み
同墓地では、この他にも棺降下装置、灌漑トラック、旋盤、フライス盤、加工機械など、埋葬から施設管理まで幅広い業務を支援する機器が整備されている。これらの取り組みは、単なる墓地運営にとどまらず、コミュニティの一員としての役割も担っている。
次回のカー&コーヒーイベント
フォレストローン墓地では、毎年8月に「カー&コーヒー」イベントを開催し、クラシックな霊柩車や特注車両を一般公開している。次回は8月10日午前7時30分から10時30分まで開催予定だ。
「これらの車両は、単なる機械ではなく、遺族の心の負担を軽減するための重要な存在です。私たちの使命は、葬儀という特別な日に、少しでも安心と平穏を提供することです」
リカルド・ロハス氏(フォレストローン墓地・自動車・機械輸送担当スーパーバイザー)