自動車のデザインが生物に似せられることは珍しくないが、多くの場合、その外観は機能性とのバランスが取られている。しかし、チェコのトラックメーカー「タトラ」が発表した16軸のトラック「フェニックス」は、その例外と言える存在だ。8つの軸を持つこのトラックは、まるでムカデのような外観を持ち、その迫力は見る者を圧倒する。

特徴的なデザインの要因の一つは、エンジンが運転席の下に配置されている点だ。これにより、トラックはまるで獲物を狙うムカデのように、後部を持ち上げた姿勢をとっているように見える。タトラ社自身も、このトラックを「ムカデ」と呼称しており、Instagramの投稿で「多軸車両、通称『ムカデ』は、クレーンやドリリングリグ、空中作業車などの特殊用途車両の頑丈なベースとして活躍している」と述べている。

既にオーストラリア向けに納車されたこのトラックは、高層ビルや風力発電タービンの整備に使用される空中作業車「ブロント・スカイリフト」のベースとして採用されている。16輪を備えたこのトラックは、不整地での走行性能にも優れており、8つの駆動軸により高いトラクションを発揮する。ただし、重量がかかる場所では沈下する可能性があるため、使用環境には注意が必要だ。

動力源には、12.9リットルのパッカーテューボディーゼルエンジンが搭載されており、6.7リットルや10.8リットルのエンジンも選択可能だが、この巨大なトラックには最大級のエンジンが搭載されているとみられる。また、操縦性の向上を図るため、8つの操舵可能な軸が採用されており、最小でサッカーグラウンドよりも小さい旋回半径を実現している。

このトラックの迫力に圧倒される一方で、その実用性にも注目が集まっている。今後、ゲーム「Snowrunner」のDLCに登場する可能性もあり、多くのファンから注目を集めそうだ。

出典: The Drive