出会いは子どもの頃、運命の再会は10年後

ダニエル・ファンさんとジュリアさんの出会いは、ダニエルの両親がジュリアの母親をネイルサロンで雇ったことがきっかけだった。当時8歳だったダニエルは、将来の妻となるジュリアの家を訪れていた。

「当時はただの友達だと思っていましたが、後に妻になるとは知りませんでした」とダニエルさんは振り返る。二人は成長するにつれて疎遠になったが、2014年にフェイスブックで再会。2023年に30代半ばで交際を始めた。

心臓病との長い闘い

ダニエルさんは11歳の時に肥大型心筋症(HCM)と診断された。これは心臓の筋肉が厚くなり、血液を送り出す機能が低下する遺伝性の心疾患だ。姉も同じ病気を抱え、母親も遺伝子変異を持っていた。

診断後すぐにペースメーカーを埋め込まれたダニエルさんは、スポーツなどの激しい活動を制限された。「とても悲しく、つらい時期でした」と語る。しかし、ギターとドラムを始めたことで心の支えとなり、高校時代を無事に過ごした。

20代前半には激しい運動後に意識を失うなどの症状が現れ、救急搬送されることもあった。2024年には運動とは関係なく不整脈を発症。2025年1月15日、自宅でテレビを見ていた際に激しい不整脈に襲われた。

「今までで最悪の発作でした。めまいがして、吐き気もあり、心臓の鼓動が止まらなかったんです。救急車を呼び、1週間の入院を余儀なくされました」とダニエルさんは当時を振り返る。

心臓移植を断念、LVAD治療へ

心不全の状態に陥ったダニエルさんは、当初は心臓移植を希望していた。しかし、状況が許さず、最終的に左心室補助人工心臓(LVAD)の装着に至った。

ピードモント・ハート(アトランタ)の心臓外科医サガー・ダムレ博士によると、LVADは薬物療法で効果が得られない重度の心不全患者に推奨される治療法だ。

「心臓が弱り、全身に十分な血液を送り出せなくなると、息切れや疲労などの症状が現れます。薬が効かなくなると、LVADが必要になることがあります」とダムレ博士は説明する。

ICUで結ばれた愛の誓い

交際1年目を迎えた頃、二人は結婚について話し合っていた。しかし、ダニエルさんの病状が悪化したことで計画は大きく変わった。2025年2月、ダニエルさんはICUに入院。そこでジュリアさんはプロポーズし、二人はICUで結婚式を挙げた。

「病気と闘いながらも、ジュリアとの結婚は私にとって最大の支えです。彼女がいなければ、ここまで頑張ることはできなかったでしょう」とダニエルさんは語る。

「心不全と診断された時、将来について不安でいっぱいでした。でも、ジュリアと出会い、結婚できたことで、希望を持つことができました。彼女が私の命の灯台なんです」
— ダニエル・ファンさん

二人の今後の展望

現在、ダニエルさんはLVADを装着しながらも、リハビリに励んでいる。ジュリアさんは献身的に支え続け、二人は新たな人生の章を歩み始めた。

「これからも一緒に乗り越えていきたいです。彼女がいれば、どんな困難も乗り越えられると信じています」とダニエルさんは力強く語った。

出典: Healthline