フロリダ州デランドにあるアドベントヘルス・デランド病院で、患者搬送係のスーパーバイザーとして10年以上勤務するトミー・ベルさん(62歳)は、2025年11月26日、勤務を終え帰宅しようとしていた。車の中で妻のジョイさんと話していたところ、胸の中央に圧迫感を感じた。その違和感は断続的に続き、ベルさんは直ちに病院に引き返した。
アドベントヘルス・デランド病院の救急外来で検査と画像診断を受けたベルさんは、2日後の11月28日に心臓カテーテル検査を受けることになった。入院中に心筋梗塞を発症したものの、ステント治療により血流が正常化。その後集中治療室で回復し、2日後に退院した。
ベルさんは「それまで心筋梗塞の症状として知っていたのは、テレビで見たような胸の痛みや腕への放散痛だけでした」と語る。退院後も体調はすぐれず、12月2日には再び救急外来を受診。その日、ベルさんは2度目の心筋梗塞を経験した。その後も体調が回復せず、同じ日に3度目の心筋梗塞を発症した。
3度の心筋梗塞を経験したにもかかわらず、ベルさんは「自分が普段から一緒に働き、笑い合っていた同僚たちに看護してもらえたことが心強かった」と語った。治療にあたった全てのスタッフの名前を覚えており、「自分が患者側になったことで、病院のスタッフがいかに優秀かを実感しました」と語った。
2週間の回復期間を経て職場に復帰したベルさんは、「回復期には職場の家族と自宅の家族に囲まれて過ごすことができました。病院の誰かが毎日連絡をくれ、その支えは計り知れませんでした」と語った。
心筋梗塞の「見過ごされがちな症状」を啓発
ベルさんは自身の体験を通じて、心筋梗塞の症状や再発リスクの高い人の特徴についての認識を広めたいと考えている。「神様から与えられた使命として、自分の体験を共有し、人々に体のサインを聞き取る重要性を伝えたいと思いました」と語った。
心臓病専門医のジャナク・バブサール医師(介入的心臓病専門医)は、ベルさんの症例について「典型的な症状が現れないケースも多く、特に高齢者や糖尿病患者では注意が必要です」と指摘する。