米国の主要都市における凶悪犯罪が2026年1〜3月期に大幅に減少したことが、全米主要67の捜査機関のデータから明らかになった。新型コロナ禍の犯罪急増後から続く全国的な犯罪率低下の流れが、さらに加速している。

犯罪率低下の全体像

主要都市67の捜査機関から集計されたデータによると、2026年の第1四半期(1〜3月)における凶悪犯罪が、前年同期比で大幅に減少した。この傾向は全米の主要地域で確認されており、全国的なシステマティックな変化を示している。

主な犯罪カテゴリーの減少率は以下の通り:

  • 殺人事件:17.7%減
  • 強盗:20.4%減
  • 強姦:7.2%減
  • 加重暴行:4.8%減

これらのデータは、毎年発表されるFBIの年間犯罪統計にも反映される傾向を示すものであり、四半期ごとの集計が信頼できる指標となっている。

主要都市における顕著な減少

特に目立った減少を記録した都市には、以下のような例がある。

  • ワシントンD.C.:殺人事件64.7%減
  • フィラデルフィア:殺人事件54%減
  • サンディエゴ:殺人事件50%減
  • メンフィス:殺人事件34.4%減
  • ニューヨーク:殺人事件31.7%減(マヤー・ゾーラン・マムダニ氏就任直後からの減少)
  • ロサンゼルス:殺人事件23%減
  • ヒューストン:殺人事件36.4%減

政治的な影響と変化

この新たな犯罪データは、2026年の中間選挙に向けた政治的な議論に影響を与える可能性がある。ドナルド・トランプ前大統領は、民主党が主導する都市における凶悪犯罪の深刻化を繰り返し主張してきたが、実際には多くの都市で犯罪率が大幅に低下している。

「犯罪率の低下は、バイデン政権後半から始まり、トランプ政権下でも継続している」

トランプ氏は昨年、シカゴ、ポートランド、ワシントンD.C.、メンフィス、カリフォルニア州の都市に連邦軍を派遣した理由として凶悪犯罪を挙げていたが、犯罪率の低下が明らかになると、政権はトーンを変え、政策の成果として犯罪率の低下を強調し始めた。

政治的プロパガンダと現実の乖離

2024年の選挙期間中、トランプ氏はコロラド州オーロラ市がベネズエラからの移民ギャングに支配されていると繰り返し主張したが、実際には同市の殺人事件は66.7%も減少していた。

依然として残る課題

犯罪率の低下は全体的な傾向であるものの、一部の都市では依然として特定の犯罪カテゴリーで増加が見られる。例えば、ミネアポリス、アトランタ、バージニアビーチなどの都市では、四半期全体の凶悪犯罪総数が増加していた。

警察当局は、夏場にかけて犯罪が再び増加する可能性があると警告しており、デンバー市当局は最近、殺人事件の連続発生を受けて季節的な犯罪増加の可能性を指摘している。

まとめ

2026年に入っても、米国の主要都市における凶悪犯罪は減少を続けており、犯罪率は依然として政治的に重要なテーマであるものの、全体的な安全性は向上している。しかし、犯罪傾向は短期間で変化する可能性があり、引き続き注意深い監視が必要とされている。

出典: Axios