DeFi Unitedの緊急資金調達、92.5%のカバーを達成

DeFi Unitedの公式サイトによれば、rsETHの裏付け回復を目的とした緊急資金調達で、69,550ETH以上が222のウォレットから1,623回の送金により集まった。この取り組みは、規制当局や中央銀行、明確な権限を持たない中で、DeFi業界にとって「最後の貸し手」に最も近い存在として機能している。

Aaveのガバナンス提案によると、rsETHの当初の不足額は163,183ETHに達していた。その後の回収・凍結措置により、KelpDAOから43,168ETH、Arbitrum Security Councilによる30,766ETHの凍結、Aaveの清算による12,323WETH、Compoundからの1,845WETHが確保され、残額は75,081ETHまで縮小した。

DeFi Unitedによる現在の資金調達額は、この残額の92.5%に相当する5,632ETHをカバーしており、より広範なトラッカーによると、Arbitrumの凍結回収ルートを含めると、目標の116,500ETHのうち100,200ETHが確保され、カバー率は86%に達している。

回収額の内訳と課題

ただし、これらの数字には注意が必要だ。多くの大口寄付はガバナンス投票が未承認であり、一部の重要な寄付額は未公表となっている。また、LayerZeroの貢献額は特に注目されるが、その詳細は明らかにされていない。

以下は主な寄付者とそのステータス、寄付額の内訳だ。

  • Mantle:投票中(30,000ETH)
    残額の埋め合わせに最も貢献する可能性のある寄付額
  • Aave DAO:投票中(25,000ETH)
    DAOの資金プールによる損失吸収テストの象徴
  • Stani Kulechov:コミット済み(5,000ETH)
    創業者による信頼性向上のシグナル
  • EtherFi:投票中(5,000ETH)
    主要なDeFiプロトコルによる支援

KelpDAO攻撃の全容と影響

KelpDAOのrsETHブリッジは、LayerZero Labsを唯一の検証者とする1-of-1構成で運用されていた。Galaxy Researchの調査によると、攻撃者はこの構成を悪用し、Ethereumメインネットのエスクローから116,500rsETHを引き出し、Aave、Compound、Eulerで担保として利用して約2億3600万ドル相当のWETHとwstETHを借り入れた。

この攻撃により、DeFiの総ロックされた価値(TVL)は約130億ドル減少し、Aave aloneでは84億5000万ドルのTVLが流出した。WETHの利用率は100%に達し、ユーザーのパニック売りが加速。同時にUSDTとUSDCのプールも完全に利用された。

LayerZeroは声明で、攻撃を「RPC Poisoning」と呼ばれるインフラ攻撃と表現したが、LayerZeroプロトコル自体の脆弱性については言及を避けた。しかし、ブリッジルートがLayerZero Labsを唯一の検証者として依存していたことで、単一障害点が集中していたことが明らかになった。DeFi Unitedのリストでは、LayerZeroの貢献ステータスは「確認済み、未定」となっている。

DeFiの教訓:透明性とリスク管理の重要性

この一件は、DeFiが直面する課題を浮き彫りにした。規制や中央銀行に依存しない一方で、単一障害点のリスク透明性の欠如がもたらす脆弱性が明らかになった。

また、安定コインの凍結に関する議論も再燃。Circleは法的プロセスに基づく凍結を主張する一方、Tetherは迅速な介入の有効性を示している。DriftやRheaに続く今回の攻撃により、ユーザーは「古いスローガン」よりも「泥棒を止めること」を重視するようになっている。

※本記事は2026年4月17日の情報に基づいています。