米国の国土安全保障省(DHS)に勤務する職員が、数週間以内に給与を受け取れなくなる可能性が高まっている。同省のマークウェイン・ムリン長官は5月21日、Fox Newsのインタビューで、政府機関閉鎖が66日に及ぶ中、DHSの資金が事実上底をつきつつあると明らかにした。
トランプ前大統領は今月、2025年度予算法「One Big Beautiful Bill Act」に基づく100億ドルの緊急資金を解放する大統領令に署名したが、その資金は5月初旬までに尽きる見通しだという。ムリン長官によると、DHSは22の機関を擁し、2週間ごとに約16億ドルの人件費を支払っている。
「資金は急速に減少しており、底をつけば緊急資金はなくなります。4月までの支払いを終えた後、残るは1回分の給与のみ。その後、大統領が新たな大統領令を発令しても、資金がなければ実行できません」とムリン長官は述べた。
議会の対応が唯一の解決策
ムリン長官は、DHSの財政難を打開する唯一の方法は、議会が新たな予算案を可決することだと強調した。しかし、共和党と民主党は数か月間にわたり対立を続け、移民・関税執行局(ICE)と税関・国境警備局(CBP)の最近の不正行為に対処することなくDHSへの資金提供をめぐって合意に至っていない。
先月には連邦捜査官がミネアポリスでアレクス・プレッティとレニー・ニコール・グッドの2人を射殺した事件を受け、民主党はICEとCBPに10項目の改革を要求。具体的には、捜査官が私有地に立ち入る際の身分確認、マスクの着用禁止、令状の取得を義務付ける内容だった。これに対し、共和党は反発した。
保守派が新たな予算案を模索
一方で、保守派議員団は、ICEとCBPへの追加資金を投入せずにDHSの財政難を解決する新たな予算案を検討している。昨年、ICEとCBPはトランプ前大統領の「ビッグ・ビューティフル・ビル法」により、2024年度の4倍以上にあたる1700億ドルの資金を受け取っていた。