バージニア州ポーツマスにある民主党のルイーズ・ルーカス上院議員の事務所に対し、5月7日(現地時間)にFBIが強制捜査を実施した。同州南東部のポーツマスは、首都ワシントンD.C.やFOXニュース本社のあるニューヨークから遠く離れた場所だったにもかかわらず、FOXニュースは現場で即時報道を行った。
ツイッター上に投稿されたFOXニュースの映像には、連邦捜査官がルーカス議員の事務所に入る様子が映されており、複数の関係者が現場で拘束される様子も確認された。FOXニュースは「バージニア州民主党のルイス・ルーカス上院議員の事務所でFBIによる強制捜査が行われており、注目を集めている」と報じた。
捜査当局によるリークの可能性
米司法省の規則によれば、メディアへの事前通知は最高幹部の承認が必要とされている。司法省の「Justice Manual(司法省マニュアル)」には以下の記載がある。
「犯罪行為の抑止や国民の信頼向上を目的として、適切な米国検事や司法次官補の事前承認を得た上で、DOJ職員はメディアに対し捜査活動の報道を支援することができる」
また、別の項目では「捜索・逮捕令状の執行に際しては、適切な米国検事や司法次官補の明確な承認なしにメディアへの事前情報提供を行ってはならない。この規定は令状執行に向けた準備段階にも適用される」とも記載されている。
これらの規則から、ルーカス議員の事務所に対するFBIの強制捜査に関する情報が、司法次官補や検事総長代行のトッド・ブランシェ氏ら高官によってFOXニュースにリークされた可能性が指摘されている。
政治的意図の疑い
ルーカス議員はバージニア州民主党の重鎮であり、同州の選挙区割り見直し(リ districting)を主導した人物として知られる。同州は先月、議会選挙区の再編成を可能にする憲法改正案を可決したが、これはトランプ前大統領の反発を招いた。ブランシェ氏はこれまで、トランプの政敵に対するDOJの強権的な捜査を支持してきた経緯があり、民主党議員に対するFBIの強制捜査を右派メディアにリークすることで、政治的なアピールを狙ったのではないかとの見方が強まっている。