NTTデータ、Climeworksと炭素除去クレジット契約を締結
NTTデータ(NTTデータグループ)は、AI需要の急増に伴いデータセンターの排出削減を加速させるため、スイスの炭素除去技術スタートアップClimeworks(クライムワークス)との間で炭素除去クレジットの調達契約を締結した。両社が独占的に明らかにした。
契約の概要と規模
契約の具体的な金額や取引量は非公開だが、Climeworksの共同CEOであるChristoph Gebald氏によると、この契約により10年間で数十万トン規模の炭素除去が見込まれるという。これはまだ発展途上の産業にとっては意義深いものの、AIブームに伴う排出量全体から見るとわずかな規模にとどまる。
AI産業における新たなトレンドの兆し
Carbon Removal Allianceの共同設立者兼エグゼクティブディレクターであるGiana Amador氏は、「データセンターの建設拡大に伴い、炭素除去への関心が高まっている」と述べ、その理由として「炭素除去技術はデータセンター建設と同時に導入する必要がなく、クレジットとして購入できる点が魅力的」と指摘する。
データセンター業界の現状と課題
NTTデータは世界で約20万人の従業員を擁するデータセンター大手であり、AI経済を支えるデジタルインフラとサービスの主要プロバイダーの一つだ。同社は2030年までにデータセンターの直接排出を実質ゼロにする目標を掲げており、Climeworksとの契約は2040年までの追加的な排出を相殺するための一環となる。
NTTデータのサステナビリティ担当チーフであるDavid Costa氏は、「顧客は測定可能で実用的かつ実データに基づくサステナビリティ戦略を求めている」とコメントしている。
炭素除去技術の仕組み
炭素除去技術には、大気中の二酸化炭素を回収・貯蔵または利用するさまざまな方法が存在する。Climeworksの主力技術は、大型ファンとフィルターを使用して大気中のCO2を捕捉するものだ。同社は2024年からは、より安価な自然由来の炭素除去クレジットの調達も開始したが、これらは耐久性に関して工学的手法と比較して懸念が指摘されることもある。
今回の契約には、工学的手法と自然由来の両方のクレジットが含まれているという。
業界の課題と今後の展望
業界関係者2名によると、Microsoftが新規クレジットの購入を一時停止したことで生じた空白を埋める大手企業はまだ現れていないという。専門家は、炭素除去技術が気候変動対策の重要な柱となる可能性を指摘しつつも、その規模と持続可能性にはさらなる取り組みが必要だと主張している。
主なポイント
- NTTデータの目標:2030年までにデータセンターの直接排出を実質ゼロにする
- Climeworksの技術:大気中のCO2を捕捉し、貯蔵または利用する工学的手法
- 契約規模:10年間で数十万トン規模の炭素除去クレジット
- 業界の動向:AI需要拡大に伴い、データセンターの排出削減が注目を集める