「モグる」という言葉を聞いたことがあるだろうか。数か月前までは誰も知らなかったこの用語が、今ではインターネット上で頻繁に見かけるようになった。主に男性向けのオンラインコミュニティ「マンスフィア」で使われていた「モグる」は、他者と比較して圧倒的に優位に立つ行為を指す。最近では、Twitchで「Omoggle」というゲームが爆発的な人気を集めている。

Omoggleは、かつてのビデオチャットサイト「Omegle」と「モグる」の概念を融合させた1対1の対決型ゲームだ。プレイヤーはランダムにマッチングされ、顔認識技術を用いて「PSLスケール(Perceived Sexual Market Value、性的市場価値)」でランク付けされる。その結果に基づき、ELOシステムに似たランクが与えられる。ランクは「Molecule」から「Slayer」まで多岐にわたり、プレイヤーは自分のランクを競い合う。

Omoggleのプライバシーポリシーによれば、顔データはローカルで処理され、試合終了後に破棄される。開発者は「顔データを保存・販売・利用することはない」と主張している。しかしその一方で、試合の内容(クリップ、スクリーンショット、ランキングなど)は広告目的で利用される可能性があるという矛盾点も指摘されている。

AIではない?Omoggleの技術的背景

Omoggleの開発者によると、同ゲームは現代的なLLM(大規模言語モデル)を用いたAIではなく、コンピュータービジョンと顔ランドマーク解析を活用したシステムだという。「OmoggleはAIチャットボットや生成AI製品ではない」と開発者のPablo氏は説明する。「ゲーム内のスコアリングシステムにはコンピュータービジョンを使用しているが、会話の生成には使われていない。多くの人がコンピュータービジョンや機械学習を総称してAIと呼んでいるが、私たちのゲームはリアルタイムの対話とカスタムスコアリング技術に基づく競争型ソーシャルゲームだ」と述べた。

Twitchの規制とストリーマーの反応

OmoggleはTwitchで急速に人気を集め、多くのストリーマーがプレイするようになった。しかし、当初はTwitchが「ランダム化されたビデオチャットサービス」に関する規約に違反するとして警告を発していた。だが、ストリーマーたちの反発を受け、Twitchは方針を転換。現在では、Omoggleのプレイが許可されるようになった。

Omoggleの人気の背景には、ストリーマー同士の「モグる」対決がバズりやすいという点がある。例えば、人気ストリーマーが「モグられた」り、逆に自分が優位に立ったりする瞬間がクリップとして拡散され、さらなる注目を集めている。しかし、その基準が主観的であるため、時には技術的な不具合や判定ミスも発生している。

今後の展望

Twitchの規制緩和により、Omoggleはさらに多くのストリーマーにプレイされることが予想される。一方で、プライバシーやデータ利用に関する懸念も依然として残っている。開発者は「顔データは安全に処理される」と主張しているが、ユーザーの間では慎重な対応が求められそうだ。

出典: Aftermath