ウクライナ軍が、旧式のプロペラ機から射撃でロシア軍のドローンを撃墜する動画が先週、SNSで拡散された。第一次世界大戦の戦闘機さながらに機体から身を乗り出す兵士たちが、ライフルやショットガンでドローンを撃ち落とす様子は、まるでサイバーパンクのゲームを彷彿とさせる過酷な光景だ。
動画の信憑性を疑う声もあるが、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)によると、この戦法は実際に行われており、現代のドローン戦争における新たな戦術として注目を集めている。
「安価で低技術」な戦法が功を奏す
WSJの取材によると、ウクライナ軍第11陸軍航空旅団は、安価で運用コストが低い旧式のプロペラ機「Yak-52」を使用し、ドローン撃墜に成功している。Yak-52はもともと曲技飛行の訓練機として設計された機体で、F-16などの最新鋭ジェット機と比べると圧倒的に低技術だが、その分、運用コストは格段に安い。
同旅団の兵士たちは、撃墜したドローンを機体にペイントするという、第二次世界大戦のパイロットに倣った伝統的な方法も取り入れているという。
ドローン撃墜のメカニズム
Yak-52は、爆弾を搭載したイラン製「シャヘド」ドローンとの速度差がなく、数百フィートまで接近することが可能だ。この距離まで近づけば、兵士たちは機体から身を乗り出してライフルやショットガンでドローンを撃ち落とすことができる。
しかし、この戦法には大きなリスクも伴う。ロシア軍の防空ミサイルは、ジェットエンジンを搭載していないプロペラ機を簡単に撃墜できるため、ウクライナのパイロットは常に命の危険にさらされている。
「現代の技術に逆行した戦法」
ウクライナ軍は、ロボットやドローン戦争の進化に対抗するため、時に時代遅れとも思える戦術を採用している。先日には、遠隔操作ロボットを使って高齢女性を救助する様子を捉えた動画も話題となった。
「今やこんなに高度な技術があるというのに、 cockpit から身を乗り出してショットガンでドローンを撃っているんだ」
—— WSJの取材に対し、整備士から射手に転じた兵士はこう語った。
それでも、この戦法は着実に成果を上げている。あるRedditユーザーは「現代の問題には、時に古い解決策が効果的なこともある」とコメントしている。
ドローン戦争の新たな局面
ウクライナ軍のこの独創的な戦法は、最新技術と旧式装備の融合が生み出した新たな戦術として、世界中の軍事関係者から注目を集めている。安価で柔軟な運用が可能な一方で、高いリスクを伴うこの戦法は、今後のドローン戦争のあり方を考える上で重要な示唆を与えている。