カリフォルニア州知事選の選挙戦は、民主党候補のトム・スティーアがICE(移民税関執行局)の廃止と違法行為を行った職員の逮捕を主張する中で、大きな転換点を迎えている。

億万長者で環境活動家のスティーアは、選挙広告に1億1500万ドル以上を投じ、民主党内のライバル候補を大きく上回る資金力で注目を集めている。直近のエマーソン・ポールでは、スティーアが20%の支持率を獲得し、前保健福祉長官のザビエル・ベセラ(19%)をわずかにリードしている。この支持率の上昇は、エリック・スワルウェル議員の選挙戦撤退の影響も大きいとみられている。

民主党内の混乱と共和党の台頭リスク

スワルウェル議員の撤退により、民主党内の支持が再分配されつつあるが、依然として明確なリーダー不在の状態が続いている。カリフォルニア州のジャングル・プライマリー(全候補一本化選挙)では、民主党の混乱が続けば、共和党候補が2名同時に決選投票に進出する可能性も否定できない。

ICE廃止と職員の逮捕を主張

スティーアは、ICEを「暴力的過激派集団」と表現し、同機関の廃止と違法行為を行った職員の逮捕を訴えている。先週公開したブログ記事では、ICEを「市民を脅かし、人種プロファイリングを行う武装集団」と批判し、移民サービスの必要性を認めつつも、法執行機関としての機能は廃止すべきだと主張した。

「私たちは移民サービスを必要としているが、仮面を着け、 assault rifles(自動小銃)を携え、市民を脅かし人種差別的プロファイリングを行う犯罪組織は必要ない」
— トム・スティーア

ニューヨーク・タイムズの寄稿者ジャン・ゲレロは、先週の知事選討論会でスティーアを「最も移民擁護に積極的な候補者」と評価した。ゲレロは「民主党候補者は移民政策でより強硬な姿勢を示すべきだが、スティーアはその点で最も明確なメッセージを発信していた」と述べた。

スティーアの政策と反響

スティーアのICE廃止案には、以下の5つの柱がある。

  • ICEの廃止
  • 全ての法執行機関による人種プロファイリングの禁止
  • カリフォルニア州におけるICE監視ユニットの創設
  • ICEの拘留センターの環境改善
  • 移民サービスの強化

この政策は、一部の民主党支持者や独立層から好意的に受け止められている。昨秋のワシントン・ポストの世論調査では、民主党支持者の75%と独立層の60%が「億万長者による政治献金」に否定的な見解を示したが、その一方でICEに対する反対意見は圧倒的だった。スティーアはこの機会を捉え、反ICEの立場を鮮明に打ち出している。

トランプ大統領とマスカーの反応

スティーアの台頭に対し、トランプ大統領はFOXニュースでの報道を受け、スティーアの勝利を懸念する発言を行った。また、イーロン・マスクはスティーアのブログ記事の冒頭部分を引用し、「Wow(Wow)」とツイートした。この反応は、スティーアの政策が世間の注目を集めていることを示している。

スティーアは現在、選挙戦をリードする立場にあり、民主党内の混乱が続く中で、共和党の台頭を阻止するための戦いを繰り広げている。