米ジョージア州フルトン郡の選挙関係者約3,000人の個人情報を、米司法省(DOJ)が要求していることが明らかになった。同郡選挙委員会は17日、このDOJの召喚状を差し止めるため、27ページに及ぶ申請書を連邦裁判所に提出した。

召喚状は4月17日に発行されたが、裁判所への提出を受けて公表された。内容は、2020年米大統領選挙に関わった選挙委員会職員、臨時選挙スタッフ、ボランティア全員の氏名、自宅住所、メールアドレス、個人携帯電話番号を含む完全な選挙スタッフ名簿の提出を求めるもの。選挙委員会側は、この要求が「前例のない過剰な干渉」であり、選挙関係者への威嚇や投票抑止を目的とした「政治的動機に基づく」行為だと主張している。

フルトン郡委員会のロブ・ピッツ議長は、地元紙アトランタ・ジャーナル・コンスティテューションに対し、「選挙関係者を脅迫し、投票を思いとどまらせることが目的だ」と述べ、同郡は「あらゆる手段を尽くして反撃する」と強調した。

トランプ氏の選挙不正主張との関連

トランプ前大統領とその支持者らは、2020年のジョージア州におけるジョー・バイデン氏の勝利は選挙不正によるものだと主張してきた。しかし、これらの主張は裁判所でことごとく却下されている。トランプ氏は大統領再選後、連邦政府を利用してフルトン郡の選挙事務所に介入。今年1月には、国家情報長官のトゥルシ・ガバード氏を伴いFBI捜査官を派遣し、選挙事務所を捜索させた。

専門家らは、今回のDOJの要求が11月の米中間選挙、さらにはその後の選挙に向けたトランプ氏の選挙干渉の前触れとなる可能性を指摘。長期にわたる法廷闘争に発展する懸念も示している。

選挙妨害の懸念と法廷闘争の行方

選挙関係者の個人情報が公開されれば、選挙スタッフやボランティアが脅迫や嫌がらせを受けるリスクが高まる。また、選挙結果に対する信頼を損なう恐れもある。選挙委員会は、DOJの要求が選挙の公正さを脅かす行為だと位置付け、徹底抗戦の構えを示している。

今後、連邦裁判所がどのような判断を下すかが注目されるが、米国の選挙システムを巡る分断はさらに深まりそうだ。