Khaby Lameの9億7500万ドルAI契約、実態は?

クリエイター経済の拡大が続く中、ティックトックスターKhaby Lame(フォロワー数1億6100万人)が2024年1月に発表した9億7500万ドル規模のAI契約が、実態のない架空の取引だった可能性が浮上している。同契約は、香港の金融印刷会社Rich Sparkle Holdingsとの提携で、LameのAIデジタルツインの独占権を36か月間付与する内容だったが、契約は未完了で、関連株の取引も制限される事態に発展した。

契約の概要と疑惑の高まり

Rich Sparkle Holdingsは、クリエイターとの提携実績がない金融印刷会社で、LameのAIデジタルツインを活用してEC販売を促進する計画を発表していた。しかし、公式な契約完了の記録はなく、Rich Sparkleの株価は取引が制限される事態に。Lame自身も、同社の株価表示を自身のSNSプロフィールから削除した。

「正直言って、これは詐欺だと思う。数字が大きすぎるし、レッドフラグが多すぎる。Lameの沈黙も気になる。もしこの取引が不正だった場合、Lame自身は関与していない可能性が高い」
ヘンリー・カーター(Jamestown Capitalマネージングパートナー)

クリエイター経済の課題を浮き彫りに

この契約は、クリエイター経済における複数の注目トレンドを象徴していた。未検証の技術への過大評価、AIアバターの活用、クリエイターが株式を受け取る代わりに現金を求める動きなどだ。しかし、この一件は、クリエイター経済がまだ未成熟であることを示すと同時に、エージェントやマネージャー、プロデューサーなどの信頼できるパートナーとの連携がいかに重要かを浮き彫りにした。

不確実性が高まる中、クリエイターとの実績ある提携がより重視される可能性もある。クリエイターはエンターテインメント業界の未来を担う存在だが、その一方で、ビジネス拡大に向けた信頼できるガイダンスを求めている。ハリウッドがIP活用で実績を上げる中、クリエイターとの健全なパートナーシップが求められている。

Snapの大規模レイオフ、クリエイター経済の裏側

クリエイター経済の明暗を象徴するもう一つの事例が、Snapの大規模レイオフだ。同社は先週、従業員1000人(全体の16%)をレイオフすると発表。さらに、新規採用予定だった300人以上のポジションも廃止する方針で、コスト削減を進めている。クリエイター経済の拡大と裏腹に、テック企業の経営難が浮き彫りとなっている。

クリエイター経済の今後

Lameの契約疑惑やSnapのレイオフは、クリエイター経済が成熟期に入る中で生じる課題を示している。信頼できるパートナーとの連携、実績あるビジネスモデルの構築、そして透明性の確保が、今後のクリエイター経済の成長を左右する要因となるだろう。

出典: The Wrap