米国時間2019年3月6日、ホワイトハウス(ワシントンD.C.)にて開催された米国労働力政策諮問委員会の会合で、当時のティム・クックApple CEO(現エグゼクティブチェアマン)はドナルド・トランプ米大統領と協議を行った。

Appleはこのほど発表したプレスリリースで、クック氏がCEOを退任しエグゼクティブチェアマンに就任する際の役割について「政策立案者とのグローバルな関係構築を含む、特定分野の支援を行う」と明記。実質的には、政治的な難局に対応するため、特にトランプ前大統領との関係維持に注力する意向を示した。

クック氏はApple CEO在任中、同社の巨大な中国ビジネスと米国の政策とのバランスを取りながら、政治的な難しい局面を乗り越えてきた。退任後もその経験と人脈を生かし、引き続き重要な役割を果たすことが期待される。

政策立案者との橋渡し役としての役割

Appleのプレスリリースによれば、エグゼクティブチェアマンとしてのクック氏の主な任務は「政策立案者との関係構築」だ。これは単なる名誉職ではなく、同社のグローバルな事業展開を支える重要な機能となる。

特に注目されるのが、トランプ前大統領との関係維持だ。クック氏は過去数年間、米中貿易摩擦や技術規制など、Appleに影響を及ぼす政策課題についてトランプ氏と直接協議を行ってきた。エグゼクティブチェアマン就任後も、こうした調整役としての役割が継続される見通しだ。

過去の実績と今後の展望

クック氏は2011年にCEOに就任して以来、Appleを世界有数のテクノロジー企業へと成長させた。その間、米中関係の悪化や米国の規制強化など、数々の政治的課題に直面。その中で、同氏は常に同社の利益を守るための戦略を展開してきた。

例えば、2018年の米中貿易戦争の際には、クック氏はトランプ氏と頻繁に連絡を取り、Apple製品の関税免除などの措置を引き出すことに成功。また、米国の規制当局との関係構築にも尽力し、同社の事業環境の安定化に貢献してきた。

「エグゼクティブチェアマンとして、クック氏はAppleのグローバルな事業展開を支える重要な役割を担う。特に政策立案者との関係構築は、同社にとって不可欠な要素だ」
テック系メディア「The Verge」

業界からの反応

クック氏のエグゼクティブチェアマン就任に対し、業界関係者からは様々な反応が寄せられている。あるアナリストは「クック氏の政策立案者との関係構築能力は、Appleにとって貴重な資産だ。今後も同氏の存在は大きい」と指摘。また別の専門家は「特に米中関係の緊張が続く中、クック氏の役割は一層重要になるだろう」と述べた。

出典: The Verge