米国時間10月10日、イギリス出身のグラミー賞受賞歌手デュア・リパは、サムスン電子に対し、1500万ドルの損害賠償を求める連邦裁判所への提訴を発表した。同社がテレビのパッケージに無断で自身の写真を使用したとして、著作権侵害、商標権侵害、パブリシティ権の侵害を主張している。

提訴は10月9日にカリフォルニア州ロサンゼルスの連邦地方裁判所に提出された。リパの代理人は、サムスンが「オースティン・シティ・リミッツ2024」のバックステージ写真を無断で使用し、テレビの販売促進に利用したと指摘。この写真はリパの公式写真ではなく、商品との関連を示すものでもないと強調した。

サムスンの対応を非難

リパは写真の無断使用を知った際、サムスンに対して使用停止を求めたが、同社はこれを拒否。提訴では、少なくとも1500万ドルの損害賠償に加え、懲罰的損害賠償、弁護士費用、および今後の使用差し止めを求めている。

訴状には、サムスンのテレビパッケージに写真が掲載された様子や、消費者が「テレビを買う気はなかったが、箱にデュアの写真があったから購入した」といったコメント、さらには「デュアが写っているテレビを買う」といった投稿が添付されている。

リパのブランド価値を悪用か

リパの弁護士は、サムスンがリパの「慎重に構築された極めて価値の高いブランドイメージ」を悪用し、テレビの販売促進に利用したと主張。リパは商業的なイメージ起用に非常に慎重であり、サムスン製品との関連で自身の名前、イメージ、肖像権を許諾することはなかったと指摘した。

また、リパ側はサムスンが2025年6月からの差し止め要求を受けてもなお写真の使用を続け、その対応を「軽視かつ無神経」と非難。現在も該当商品が市場に流通していると主張している。

セレブリティの肖像権の価値が浮き彫りに

この訴訟は、消費者マーケティングにおけるセレブリティの肖像権の法的・経済的価値の高まりを示す事例となった。リパの弁護士は、プーマ、ヴェルサーチ、イヴ・サンローラン、アップル、ティファニーなどとの実績を挙げ、リパのイメージと起用権の商業的価値を裏付けた。

サムスン側は現時点でコメントを発表していない。

出典: The Wrap