イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、ニューヨーク・タイムズ紙に対し、ニコラス・クリストフ氏の論説「パレスチナ人に対するレイプへの沈黙」に関する名誉毀損訴訟を起こすと発表した。イスラエル外務省が11月7日(木)に明らかにした。

外務省の声明によると、ネタニヤフ首相とギデオン・サール外相は、同紙に対し「近代メディア史上、イスラエルに対する最も醜悪で歪曲された虚偽の主張」と非難し、名誉毀損訴訟の提起を指示したとしている。

ニューヨーク・タイムズ紙の反論

ニューヨーク・タイムズ紙は、クリストフ氏の論説について「徹底的な取材に基づく意見記事」であり、事実確認も十分に行われたとしている。同紙の広報担当者は11月6日(水)に以下のように述べた。

「ニコラス・クリストフ氏の意見記事は、読者に対し『中東紛争に対する私たちの見解にかかわらず、レイプを非難することで団結できるはずだ』という提言から始まります。同氏は、イスラエル治安部隊や入植者による性的暴力や虐待の実態を示す複数の分析や、公式記録に基づく証言をまとめています。」

さらに同広報は、クリストフ氏が取材した14人の男女の証言について、可能な限り他の証人や被害者が信頼する家族・弁護士によって裏付けられたと説明。また、事実確認では、人権団体の調査、調査報道、国連の証言なども参考にされたと主張した。

イスラエル政府の主張

イスラエル政府は、クリストフ氏の論説が「根拠のない主張」であり、イスラエル国家に対する「深刻な名誉毀損」にあたると強く反発。外務省は「イスラエルの治安部隊や入植者によるレイプの実態を示す証拠はない」と主張している。

今後、訴訟の具体的な手続きや内容について、さらなる発表が予想される。

出典: The Wrap