ニューヨーク・タイムズ、クリストフ氏の論説を再擁護
ニューヨーク・タイムズは、イスラエルの治安部隊によるパレスチナ人への性暴力疑惑を報じたニコラス・クリストフ氏の論説記事「沈黙が覆うパレスチナ人のレイプ」について、再び擁護の声を上げた。同紙はこれを「徹底取材に基づく意見論説」と位置付けている。
同紙の広報担当者は11月27日、声明を発表し、「クリストフ氏の論説は、中東紛争に対する見解にかかわらず、『レイプを非難する』という読者への提言から始まる」と述べた。さらに「同氏は、イスラエル治安部隊と入植者による性暴力・虐待の実態を、複数の分析や関係者の証言をもとにまとめた」と説明した。
声明では、取材内容の裏付けについても詳述された。具体的には、14人の被害者へのインタビュー内容は、可能な限り他の証人や家族、弁護士の証言と照合され、事実確認が行われた。また、人権団体の調査や調査報道、国連の証言なども参照されたという。さらに、専門家の意見も取材・検証の過程で活用されたとしている。
イスラエル外務省が「偏向報道」と非難
これに対し、イスラエル外務省は11月26日、同論説を「偏向報道」と断じ、ハマス系ネットワークに関連する「未確認の情報源」に依拠していると批判した。
「これはジャーナリズムではなく、ハマスのプロパガンダだ。事実を歪曲し、反イスラエルの主張を支援するものだ。この恥ずべき記事は直ちに削除されるべきだ」
イスラエル外務省
同省はX(旧Twitter)で声明を発表し、「偏向した新聞社による政治的な中傷キャンペーンであり、イスラエルのブラックリスト化を目指すものだ」と非難した。
ニューヨーク・タイムズ、クリストフ氏の実績を強調
ニューヨーク・タイムズは11月26日にも、クリストフ氏の論説に対する批判に対し、擁護の声を上げていた。同紙の広報担当者は、同論説の撤回を求める声に対し「撤回の事実はない」と明言。さらに、クリストフ氏の実績を強調した。
「ニコラス・クリストフ氏はピューリッツァー賞を2度受賞したジャーナリストであり、数十年にわたり性暴力の取材を続けてきた。戦争や紛争地における女性・男性への性的虐待を現地で取材し、証言を集めてきた世界的な第一人者だ。同氏は現地を訪れ、パレスチナ人被害者の証言を直接取材し、独立した調査結果とともに論説にまとめた」
ニューヨーク・タイムズ広報担当者
クリストフ氏、反論を呼びかけ
クリストフ氏自身も11月26日、X(旧Twitter)で反論を呼びかけた。
「私の論説に対する関心に感謝する。懐疑的な方への問い:9,000人のパレスチナ人『治安』囚人に対し、赤十字と弁護士の面会を認めるのはなぜ難しいのか? これらの虐待疑惑が事実でないと思うのなら、面会を認めることで被害者を保護できるはずだ。なぜ認めないのか?」
ニコラス・クリストフ
論説の内容と反響
クリストフ氏の論説は、イスラエルの治安部隊と入植者によるパレスチナ人への性暴力疑惑を報じたもので、被害者の証言や独立した調査を引用している。同紙は、これらの主張が「事実に基づく徹底取材」に裏付けられていると主張している。
一方で、イスラエル政府や一部のメディア、専門家からは「偏向報道」「事実誤認」との批判が相次いでいる。今後、同論説を巡る議論がさらに激化する可能性がある。