バージニア州最高裁が選挙区マップを無効化、民主党が反撃策を模索
先週、バージニア州最高裁は4対3の判決で新しい選挙区マップを無効化した。これを受け、同州の民主党議員らは、州議会による司法の退職年齢引き下げと多数派判事の「引退」を通じて、最高裁を掌握し新たな選挙区マップを成立させるという極秘計画を検討していることが明らかになった。
「最後の手段」として浮上した計画
ニューヨーク・タイムズによると、民主党議員らは、州最高裁の判事の定年退職年齢を現行の75歳から54歳(最年少判事の年齢)に引き下げる法案を可決し、多数派判事を「引退」させることを目指している。これにより、民主党が支配する州議会が新たな判事を任命し、最高裁を掌握するという構想だ。
さらに、民主党議員らは、2026年の憲法改正手続きにおける公告義務違反を理由に、独立選挙区再編委員会の設立を無効化することを目指している。これにより、州議会が独自の選挙区マップを策定できるようになるという狙いだ。
法的専門家らは困難視、実現性に疑問符
しかし、選挙法の専門家であるリック・ハセン氏は、この計画が米国最高裁の判例「ムーア対ハーパー事件」の下では機能しないと指摘する。同事件では、州議会が選挙に関する権限を「奪取」したとの主張が退けられているためだ。
また、バージニア州司法長官は、米国最高裁に緊急救済を求める方針を示しているが、このアプローチも同様に困難視されている。
民主党内でも賛否両論
この計画に対し、民主党内では賛否が分かれている。少なくとも1人の民主党議員、ラウドン郡選出のスハス・スブラマニアム下院議員は、先月の住民投票で承認された選挙区マップを守るために「必要なことは何でもする」と述べ、計画を支持する意向を示した。
一方で、複数の民主党議員がこの計画に反対を表明しており、法的・倫理的な問題が指摘されている。
計画の実行可能性と今後の展開
この計画が実行に移されるには、バージニア州知事の署名が必要となるが、同知事はこの提案についての説明を受けていないと関係者は述べている。同知事の報道官はコメントを拒否した。
また、計画の第一歩として、バージニア州タゼウェル郡の巡回裁判所判事による2026年の憲法改正手続きの無効判決を活用することが検討されている。民主党議員らは、この判決を根拠に、州内の裁判所で憲法改正手続きの公告が適切に行われなかったと主張し、独立選挙区再編委員会の設立を無効化することを目指す。
この計画が実現すれば、民主党は州議会の支配を活用して選挙区マップを再編し、8月の予備選挙前に新たな選挙区を成立させることが可能となる。しかし、法的な障害や民主党内の反対により、実現は容易ではないとみられている。