米国で選挙人団制度の廃止を目指す「全米人気投票州間協定(NPVIC)」への参加州が、4月にヴァージニア州で新たに加わった。同州のアビゲイル・スパンバーガー知事は4月13日、同協定への参加を承認する法案に署名した。

NPVICは、州間で締結される協定で、参加州が選挙人団の票を集計するのではなく、全米の得票数に基づいて大統領を選出する仕組みを導入する。協定が発効する条件は、参加州の選挙人票の合計が270票(大統領選で勝利するために必要な票数)に達することだ。

現在の参加州は222票、あと58票で実現へ

ヴァージニア州の参加により、NPVIC加盟州の選挙人票は222票に達した。あと58票を獲得すれば、協定は正式に発効し、選挙人団制度に代わる人気投票制が実現する。

次期中間選挙の結果次第では、この動きが加速する可能性がある。民主党がミシガン、ペンシルベニア、ウィスコンシン、ネバダ、アリゾナの各州で州議会の支配権を獲得し、これらの州がNPVICに参加すれば、選挙人票は270票を超える見込みだ。

選挙人団制度の「非民主的」な問題点

「選挙人団制度は、米国の選挙システムにおいて根本的に非民主的な要素だ。全米の有権者の意思が反映されない構造的な問題がある」
— 選挙制度改革を推進する専門家

NPVICの発効により、米国の大統領選挙は、これまでの選挙人団制度から、全米の得票数に基づく人気投票制へと転換する可能性がある。これにより、小選挙区で多数を占めた州の票が優先される現行制度の問題が解消されると期待されている。

2028年の選挙で実現の可能性

専門家らは、2028年の大統領選挙でNPVICが発効する可能性を指摘する。民主党が州議会選挙で勝利し、NPVICの参加を進めれば、選挙人票の合計は270票を超える見通しだ。これにより、米国で初めて人気投票に基づく大統領選挙が実現する可能性がある。

選挙制度の改革は、米国の民主主義の在り方を大きく変える可能性を秘めている。今後の州議会選挙の動向に注目が集まっている。