米トランプメディア・テクノロジー社(TMTG)は、傘下のSNS「Truth Social」のCEOを務めていたデビン・ヌーネス氏が退任すると発表した。同社は設立以来1.1兆円以上の累積損失を計上し、株価は84%下落。ヌーネス氏の退任は、同社の経営難を象徴する出来事となった。
トランプ前大統領の長男であるドナルド・トランプ・ジュニア氏は、現地時間2月11日の夜、ヌーネス氏の後任としてHulu出身の幹部が就任すると明らかにした。ヌーネス氏も自身のTruth Social投稿で退任を認めた。
TMTGの株式は2024年の上場時58ドルから現在9.8ドル前後まで下落。1.1兆円の損失を計上する一方で、売上高はわずか1060万ドルにとどまっている。同社の経営は厳しい状況が続いている。
ヌーネス氏の報酬は会社の総売上を上回る
ヌーネス氏は2024年の報酬だけで、同社の総売上をはるかに上回る額を受け取っていた。具体的には、年俸100万ドル、ボーナス60万ドルに加え、株式報酬として4600万ドル相当のストックオプションを得ていた。
当初の目標は大幅に未達
TMTGは設立当初、Truth Socialのほか、NetflixやAmazonに対抗するストリーミングサービス、AWSに代わるWebホスティングサービスなど、多岐にわたる事業を展開する計画を発表していた。これらの事業は「 woke(進歩的)メディアや企業文化と戦う」ことを目的としていた。
しかし、ヌーネス氏の下で実現したのはTruth Socialと無料コンテンツ中心のストリーミングサービスのみ。YouTubeと同様の無料コンテンツが中心で、利用者数は数十万人規模と推定される。一方、X(旧Twitter)の月間アクティブユーザーは2億2400万人にのぼる。Truth Socialの利用規模は、YouTube Kidsと同程度の24位にとどまっている。
投資家への期待を裏切る結果に
TMTGは設立時に投資家に対し、2026年までに33億ドルの売上とTruth Socialのユーザー4000万人、その他サービスで8100万人の獲得を目指すと発表していた。しかし、ヌーネス氏の経営下では、これらの目標は大きく未達に終わった。
さらに同社は、独自のETFや暗号資産トークン(取引不可のブロックチェーン資産)、ビットコイン保有など、一見無関係な事業にも手を広げた。これらの取り組みは、同社の経営戦略の混乱を象徴するものとなった。