米国の連邦移民拘留施設で、飢餓ストライキや虐待疑惑が相次いでいる。トランプ政権による大規模な強制送還政策が続く中、拘留者の人権侵害が明るみに出ている。
ミシガン州の拘留施設で飢餓ストライキが発生
ミシガン州ボールドウィンにある民間運営の「ノースレイク処理センター」で拘留されている移民が、1日、生活環境の悪化と正当な手続きの遅延に抗議し、飢餓ストライキを開始した。移民支援団体「No Detention Centers in Michigan」が発表した声明によると、拘留者は「まともな医師の配置、医療体制の改善、食事の質の向上を求める」と述べた。
「私たちは恣意的に囚われの身となっている。多くの拘留者は釈放の条件を満たしているにもかかわらず、裁判官が恣意的に保釈を拒否し、基本的な権利を奪われている。人間として扱われるべきだ」
—「ノースレイク処理センター」拘留者の声明(翻訳)
ペンシルベニア州でも同様の虐待報告
ペンシルベニア州クリアフィールド郡の「モシャノンバレー処理センター」でも、先週、拘留者約100人が飢餓ストライキに参加。職員が倒れた拘留者を見殺しにしたとされる事例が報告された。地元メディア「PennLive」によると、拘留者が嘔吐して意識を失った際、職員は何の対応も取らなかったという。
内部関係者の証言によれば、「拘留者は水道水に虫を発見し、食事に虫が混入していた。牛乳パックから黒い物質が見つかった」と明かした。
2024年の調査でも同様の実態が判明
ペンシルベニア州支部のACLUとテンプル大学ビーズリー法科大学院が2024年に発表した報告書では、医療放棄、栄養失調、虐待が横行している実態が指摘された。
フロリダ州の拘留キャンプで暴行事件
フロリダ州の「アリゲーターアラカトラス拘留キャンプ」では、拘留者の弁護士が4月初旬に裁判所に提出した宣誓供述書で、職員による暴行が行われた疑いを明らかにした。弁護士のケイティ・ブランクンシップ氏によると、職員が拘留者の電話アクセスを遮断し、抗議した拘留者を殴打したという。
「職員が拘留者の電話を突然遮断し、抗議が始まった。ラザロ・エルナンデス・ガルバンとライコ・ロペス・モルフィの2人の依頼者が声を上げた際、職員がモルフィ氏の右目を殴り、複数の職員が彼を暴行した。肩や腕に負傷し、頭部を蹴られ、首を押さえつけられた」
— ケイティ・ブランクンシップ弁護士の宣誓供述書(抜粋)
同事件は「マイアミ・ヘラルド」で報じられ、拘留者の顔に大きな打撲傷がある写真が公開された。
議員が実態調査に着手
こうした報告を受け、複数の議員が連邦移民拘留施設の実態調査を開始した。民主党議員らは「拘留者の基本的人権が侵害されている」と批判し、施設の改善を求めている。
今後の動向
移民支援団体は、さらなる虐待報告の収集と、施設の監査強化を求めている。一方で、トランプ政権は強制送還政策を継続する方針を示しており、人権団体との対立が深まりそうだ。