トランプメムコイン、所有者集会で「空虚な集まり」に

フロリダ州パームビーチにあるトランプの私邸「マーアラゴ」で開催された集会に、数百人の$TRUMPメムコイン上位保有者が集まった。しかし、参加者に配られたのはトランプウォッチと長話の演説のみ。肝心のコイン価格は過去最低水準にまで下落した。

「実用性ゼロ」のコインがなぜ注目を集めたのか

トランプ前大統領は2025年の再就任直前、自身と夫人メラニア夫人の名前を冠した2つのメムコイン「$TRUMP」と「$MELANIA」を発行した。発行直後、$TRUMPは一時74ドル超まで急騰し、時価総額は150億ドルに達した。しかし、このコインには一切の実用性がなく、取引機能もない。実質的には「トランプ支持のデジタル象徴」に過ぎなかった。

発行からわずか数か月で時価総額は96%減の5億8300万ドルまで下落。1枚当たりの価格も2.5ドル前後で低迷している。

「政治的象徴」としての価値は急落

メムコインは本来、ユーモアやインターネット文化を反映したデジタル資産だが、$TRUMPは「トランプ支持の表明」という政治的側面が強かった。しかし、その象徴的価値も時間とともに失われつつある。

過去の「特典」は消滅、今回の集会も失望感

昨年、$TRUMPの公式サイトでは上位220人の保有者にバージニア州のゴルフ場招待、上位25人にホワイトハウス見学ツアーを提供すると発表していた。しかし、ホワイトハウス見学は批判を浴びて中止に。集会自体も参加者の期待を裏切る内容だったとされる。

今年4月に開催された今回の集会では、上位297人の保有者が招待された。集会は「暗号資産(クリプト)」をテーマとしたイベントで、マイク・タイソンやトニー・ロビンズらも参加。トランプは再び演説に登場したが、その内容は「米国は世界で最も熱い国」といったお決まりのフレーズばかりだった。

「演説は前回と同じく無意味だった。でも今回のイベントは前回よりも組織的で、質は高かった」
モーテン・クリステンセン($TRUMP保有者、暗号資産メディア「AirdropAlert」運営者)

参加者の反応も冷ややかだった。演説中に参加者が自撮りをしていたとの報告もある。その一方で、トランプが前回よりも長時間滞在したことには好意的な意見もあった。また、多くの参加者が海外から集まったという。

トランプは集会後、上位29人の保有者と個別に面会し、ポジティブな発言をしたとされる。

メムコインの実態:投機と政治の狭間で

専門家は、$TRUMPのようなメムコインは「実用性がないため、価格変動が激しい」と指摘する。特に政治的なメムコインは、発行者の発言やイベントに反応して価格が上下する傾向がある。

しかし、今回の集会が価格下落に与えた影響は限定的だった。むしろ、コインの本質的な価値のなさがあらためて浮き彫りになった形だ。

今後の展望:メムコイン市場の行方

暗号資産市場の専門家は、メムコインの多くは「一時的な流行」に過ぎず、長期的な価値を維持するのは難しいと見ている。特に、発行者の影響力が低下すれば、価格はさらに下落する可能性が高い。

$TRUMPに関しても、今後さらなる価格下落や、コインの廃止といった可能性が議論されている。