トランプ大統領、教皇フランシスコへの非難が逆効果に
米国のドナルド・トランプ大統領は、イラン戦争への批判を続けるローマ教皇フランシスコに対し、ここ数週間にわたり激しい非難を繰り返してきた。中でも最も過激な発言として、教皇が「多くのカトリック信者を危険にさらしている」と主張した。
しかし、ワシントン・ポストが実施した最新の世論調査によると、トランプの主張は大きな反発を招いていることが明らかになった。大多数の米国人が教皇の平和主義を支持しており、トランプによる教皇と戦争への執拗な攻撃は、逆に支持を失う結果につながっている。
教皇の平和主義が圧倒的支持を獲得
同調査では、教皇フランシスコの平和主義に対する支持率が大幅に上昇。一方で、トランプの主張に対しては否定的な反応が目立ち、特に宗教的な立場からの批判が強まっている。
宗教学者のサラ・ポズナー氏(Talking Points Memo寄稿者、ポッドキャスト「Reign of Error」ホスト)は、この調査結果について以下のように分析する。
「この世論調査は、一見するとトランプにとって不利な結果のように見えるが、実は米国社会における宗教的分断の深まりを浮き彫りにしている。白人福音派とカトリック信者の間で、トランプへの支持に明確な違いが生まれているのだ」
白人福音派とカトリックの分裂が露呈
ポズナー氏によると、トランプの「 MAGA(Make America Great Again)」イデオロギーは、教皇フランシスコを「悪の象徴」と位置づけ、あたかも精神的な戦いを挑むかのような発言を引き出しているという。
しかし、このような発言は、白人福音派の一部とカトリック信者の間に深い溝を生み出すだけでなく、トランプの政治的基盤をも揺るがすリスクを孕んでいる。
「トランプは、自身の支持層である白人福音派に対して、教皇との対立を煽ることで結束を図ろうとしている。しかし、カトリック信者の多くは、教皇の平和主義を支持しており、この対立は逆にトランプの支持率を下げる要因となっている」とポズナー氏は指摘する。
政治的な打撃につながる可能性
専門家は、トランプの教皇への攻撃が、今後の選挙戦に悪影響を及ぼす可能性が高いと警鐘を鳴らす。特に、カトリック票は米国の選挙において重要な位置を占めており、このような発言は票の流出を招くリスクがある。
「トランプは、自身の主張を正当化するために、教皇を攻撃することで支持を集めようとしているのかもしれない。しかし、その結果、多くのカトリック信者からの支持を失うことになり、選挙戦に大きな打撃を与える可能性がある」とポズナー氏は述べた。